いつも単独開催している保津川クリーン作戦ですが、今回は、川と海つながり共創プロジェクト主催する『保津川の日』の中のプログラムとして行いました。

また、これまで毎年参加してきて、今年で第16回目となる『桂川流域クリーン大作戦』としての開催にもなりました。

『保津川の日』とは?

市や市民団体、企業などでつくる「川と海つながり共創プロジェクト」が、毎年3月の第1日曜日を『保津川の日』と定めて、2014年から始まったイベントです。

皆さんに、改めて保津川やその周辺の自然環境、市街地から保津川へ流れ出した流出ごみなどに目を向けてもらえる日です。

詳しくはこちら。 川と海つながり共創プロジェクト

『桂川流域クリーン大作戦』とは?

「きれいな川はみんなの願い」をスローガンに、同じ日に桂川流域で清掃活動を行う淀川水系一斉アクションの環境イベントです。

河川レンジャーの皆さんが2008年にスタートし、これまで行われてきました。

詳しくはこちら。 桂川流域クリーン大作戦

第158回保津川クリーン作戦の様子

2023年3月5日(日)に開催した今回のクリーン作戦には、全部312人の方が参加してくださいました。

集まった参加者は、保津小橋周辺の辺りから清掃活動を始め、その後保津川かわまちづくりエリア全体に拡散し、広範囲で清掃活動を行いました。

今回は、イベント全体で、燃やすごみ30ℓで85袋、埋め立てごみ35袋、ペットボトル30袋、缶瓶15袋、粗大ごみ300㎏を回収することができました。

早朝からたくさんの皆さんのご参加ありがとうございます。

その他の保津川の日のイベントの様子

今年の保津川の日は、天候にも恵まれ、たくさんの方に参加して頂き、保津川やその周辺の環境に目をむけてもらえるイベントとして、大成功の1日となりました。

当日は、保津川クリーン作戦の他にも様々なイベントが開催されました。

保津川エコラフィング

参加者がラフティングボードに乗り込み保津大橋から山本浜まで、川を下り、川岸の漂着ごみの回収を行いました。

参加者は、こんなにごみが保津川沿いにひっかかっているのかとびっくりされたのではないでしょうか。

保津川凧揚げ大会

日本の凧の会大阪支部の会員による指導を受けながら、プラスチック材料や電気等のエネルギーを使わないエコな遊び、冬の代表的な遊びである「凧あげ」が行いました。

㈱カインズさんに廃材を利用した凧づくりを指導の下、参加者が自ら凧を作りました。

保津川野鳥観察会

日本野鳥の会京都支部の協力の下、保津川沿いでバードウォッチングを行いました。

日常見かける身近な野鳥の名前や生態について詳しく知る機会でした。

保津川の豊かな自然を実感することができたのではないでしょうか。

保津川エコ屋台

リユース食器、カトラリーや持ち帰り用の容器には自然素材のものを使用するなど、ごみを出さない、環境に配慮した屋台が出店されました。

だし巻きや、ホルモンうどん、塩むすびやから揚げなど、ごみを出さなくても商業活動できる先進的な屋台です。

プロジェクト保津川では、亀岡市文化資料館、流域の各団体・事業者のみなさんとともに、筏復活プロジェクトとして、その昔、丹波地方から京都市内への舟運の中心だった筏流しの文化的な復活に取り組んできました。

実は、その昔に保津川を流れていたのは、木材を流す筏流しだけなく、竹も筏として組まれ、流されていたそうです。そうやって、竹筏を組み、亀岡市の保津町から京都市内へと運ばれていました。

京都先端大学を会場に、竹筏を組んでみました。

今回は、関係者や、見学者、遠くは埼玉から起こした方など、総勢30名ほどが集まり、あーでもないこーでもないと作業を行いました。

保津町から運ばれた竹です。太さも均一で、まっすぐに育ったりっぱな竹です。

保津町には、昔から竹屋さんがたくさんありました。

今回は、森川竹材さんが竹の調達から搬入までを担ってくださいました。

森川竹材さんは、代々保津で竹屋さんを営んでこられ、保津から出ていた竹筏の荷主さんでもあったそうです。

早速、竹筏を組んでいきます。

ヒゴ状に加工した竹を使い、竹と竹を合わせて、組み合わせていきます。

この竹と竹を結び合わせるヒゴのことをネソと呼ぶそうです。

ネソにどんな材料が使われるかは、地域によっても違うようです。

細めの竹は、何本かで束を作って、また一つ一つを束を合わせて、竹筏を組んでいきます。

人が乗っても、沈んだり、バラバラにならないように組まなければなりません。

竹と竹を組み合わせて、竹筏が出来上がってきました。

竹筏を川に流し、それを操作し、川を下ります。

竹筏を制御するために、舵を取り付けます。

ちなみに、保津川を流れる竹筏についてわかっていることは少なく、竹の筏組みの手がかりとなっているのは、こちらの写真だけです。

保津川に流れる竹筏

京都府立京都学・歴彩館 デジタルアーカイブより

竹の長さは1本9m(材木の場合は基本的に4m)、2時間ほどの作業で2連の竹筏が組み合がありました。

今回、初めて竹筏を作ってみましたが、まだまだわからないことがありました。

今後も、研究していく必要がありそうです。

尚、この竹筏は夏に保津川に浮かべる予定です。

乞うご期待です。

当日の様子やこれから竹筏に関する予定などは、京筏組のtwitterでも発信しています。フォローよろしくお願いします。

プロジェクト保津川では、保津川流域の歴史・文化・自然について深く知ってもらう機会として毎年「まいまい京都」とジビエツアーを開催しています。

今年のツアーは、2月4日(土)に開催しました。

午前、参加者の皆さんに亀岡駅に集合してもらいツアーはスタートしました。

遠くは、東京、愛知、岐阜県などから16名の方が参加してくださいました。

ツアーガイドは、保津川下りの船頭や船大工もつとめ、プロの猟師でもある山内博さんと、プロジェクト保津川の代表理事である原田です。

参加者は、風景を眺めながら、亀岡の文化、自然環境などについて話を聞きながら、保津大橋を越えて徒歩で保津町の集落へと向かいました。

途中、保津八幡宮社にも寄りました。保津峡の入口にある請田神社の頓宮として、秋には火祭りが行われる神社です。

保津の火祭りは、五穀豊穣を感謝し無病息災を祈る秋祭りです。境内で、大きな火が焚かれで、この火にあたると、その年の健康を約束されると信じられています。

そこから保津町の古い街並みを抜け、徒歩で3km、約1時間ほどかけて築300年の武家屋敷「へき邸」へと到着しました。

へき邸では、猟師の山内さんが実際に猟で使う道具なども見せてもらい、お話を聞きながら、亀岡の自然豊かな環境で獲れたイノシシの肉をジビエ料理として頂きました。

山内さんは、「くくりなわ」という手法で猟をされています。動物が通りそうなところを見つけ、そこにバネの作用でワイヤーが閉まるという仕組みの罠です。

日本では、オオカミの絶滅や、人工造林の拡大などが原因で、鹿や猪が数が増えています。各地で土砂崩れが増えたりしているのも、それが原因のひとつです。

ジビエ料理を通して、崩れてしまった山の生態系のバランスを保つのも猟師さんのお仕事の一つだということを知ってもらえたのではないでしょうか。

参加者のみなさんからは、今回のツアーについて様々な感想をいただきました。

「思った以上にスゴイお料理で感激しました。」、「現役猟師のお話は驚くことばかりで、大変面白かったです。」、「命に向き合っておられる方のお話は引き込まれます。参加して良かったです。」、「亀岡の町作り、駅前の抜け感など計画的に取り組んでていいですね ジビエと野菜美味しかったです 猟師さんの話しも珍しく楽しい時を有難うございました」などなど。

今回のツアー、参加者のみなさんには、満足頂けたのではないでしょうか。

ご参加ありがとうございました!

プロジェクト保津川では、このように保津川流域の歴史・文化・自然などの紹介などの事業も行っており、定期的に「まいまい京都」とツアーを行っています。

知ってもらうことで、私たちが保津川流域で行っている環境問題への取り組みについても関心を持ってもらうきっかけになるとありがたいです。