2022/12/05 *日記・コラム・つぶやき

2022秋 保津川沿いの風景 保津大橋から山本浜まで

プロジェクト保津川では、「Save Hozu River 清らかな流れを 次の世代へ」を合言葉に、保津川を中心に活動しています。

毎月第3日曜日には、保津川やその支流で、保津川クリーン作戦と称し、河川の清掃活動を行っています。

私たちは、私が活動するこの川のことを「保津川」と呼んでいます。

子供の頃から自然とそう呼んでいるので、「保津川」と呼ぶのが普通のことです。

しかし、地図を見てみると桂川となっていたり、大堰川となっていて、保津川とはどこにも表記されていないことに気づきます。

実は、「保津川」というのは、亀岡市の保津地区から嵐山までの間を、地域の人が呼ぶ通称だったのです。

私たちにとっては、「保津川」と呼ぶことが当たり前で、川と言えば保津川が頭に浮かびます。

その保津川が流れる亀岡市の人口は、現在約8万7千人。

そのほとんどの人が、保津川やその支流となる川沿いに住んでいます。

それくらい私たちと保津川は密接な関係を持っています。

そんな保津川沿いは、とても自然が豊かで、季節によって様々な姿を見せてくれます。

いつもの投稿と違い、今回は2022年の保津川沿いの秋の風景を紹介してみたいと思います。

亀岡特有の霧の日と保津大橋

10:36

この日は、朝から亀岡市内一面に霧がはっていました。亀岡では、この季節だいたいこんなふうに霧が覆っていることが多いです。

JR亀岡駅付近より、保津大橋周辺の方が早く霧が晴れ始めていました。

保津川沿いの方が霧が濃いのかと思っていたので意外なことでした。

10:40

4分後には、紅葉した牛松山とその向こうに愛宕山が見えてきました。

さきほどまで薄暗かったのに、霧が晴れるのは一瞬のことでした。

亀岡の霧って、保津川の右岸側から晴れていくのがいつものことなのでしょうか?

振り返ってみると、亀岡の中心地方面はまだ霧に覆われていました。

保津川右岸

保津大橋を渡って右岸の下流側には散歩道とサイクルロードが走っています。

日ごろから、散歩をする人やジョギングやサイクリングを楽しむ人を見かけます。

この日は、近く保育所?の子どもたちが土手遊びを楽しんでいるようでした。

道沿いでは、楓がきれいに紅葉していました。

春には、この道沿いに桜も咲きます。

請田神社へ向かう道

サイクルロードからひとつ保津町の集落の方に入ると請田神社へと続く道があります。

途中まで整備されていますが、その先は道が細くなっています。車は、保津大橋付近に置き、徒歩で進むのがお勧めです。

地元の方が請田神社へ向かって散歩されているのを見かけました。

道の途中から上流側を振り返って見ると、亀岡の中心地方面が見えました。

あちら方面は、まだまだ霧の中の様子でした。

保津峡谷の入口

請田神社の下あたりが、保津川が保津峡谷へと入っていくちょうど入口に当たります。

渓谷内もすでに紅葉の様子でした。

向こう岸に見えるのが、山本浜です。トロッコ亀岡駅も見えます。トロッコに乗って来られたと思しき観光客が保津川の景色を楽しまれている姿も見えました。

ついつい渡ってみたくなる保津小橋

請田神社から道を戻り、保津小橋を渡って左岸側に渡ります。

保津小橋は、保津町の方が向こう岸にある田んぼへ通うための橋だと聞いたことがあります。

見ていると確かに、軽トラが渡っていきます。

地元の散歩道にもなっているようで、小橋を渡る人々も見かけました。

欄干がなくちょっと怖さもありますが、自然と渡ってみたくなる魅力のある橋です。

ちょうど保津川下りの船がやってきて、その小橋の下をくぐりました。

ススキ?それとも、オギ?

保津小橋の左岸側には、右岸側と違う景色が広がっています。

白い穂を持つ植物が広い面積に一面広がっていました。

ススキかなと思って、穂先を見てみたのですが、ススキの特徴のノギが無いように思いました。

もしかしたら、オギなのかもしれません。

ススキでしょうか?それとも、オギでしょうか?

どなたかご存じないですか?

わかったらおしえてください。

保津小橋から山本浜へ

小橋を渡ってすぐに下流に向かう抜け道があります。舗装されていないガタガタ道です。

ここから山本浜へと向かっていけます。

散歩道としてや、トロッコ亀岡駅から保津川下り乗船場まで向かう人が歩いています。

左手には、保津川が見えます。先ほどの保津川下りの船に追いつきました。

山本浜

保津小橋から山本浜まで、ゆっくり歩いても20分ほどで到着です。

向こう岸に見えるのが、先ほどこちらの山本浜側を見ていた請田神社です。

大正時代には、ここ山本浜から保津川下りの船が出発していたそうです。

当時も、外国人観光客がたくさんやってきて保津川下りを楽しんでいたと聞いたことがあります。

また1台、船が保津渓谷へと入っていきました。

船に向かって手を振ると、乗船客の皆さんが振り返してくれます。

これが秋の保津川沿いの風景です。

プロジェクト保津川では今後も、この保津川の清らかな流れと自然と次の世代へ引き渡せるように活動していきたいと思います。

2020/08/06 *日記・コラム・つぶやき

保津川のアユのお話

プロジェクト保津川では、夏のこの時期に、毎年「保津川でアユ漁と川流れを楽しもう」というイベントを開催しています。

保津川に網を仕掛け、親子みんなで追い込み、アユを取って焼いて食べたり、ライフジャケットを着て川に流されて遊んだりと、保津川を身近に感じることができるイベントです。

2018年保津川で鮎漁と川流れを楽しもうの様子
2018年度に開催した「保津川で鮎漁と川流れを楽しもう」の様子

残念ながら、去年は増水により、今年は新型コロナウイルスの感染拡大により中止になってしまいました。


アユってどんな魚なんでしょう?

この時期になるとスーパーで売られていたり、釣り好きの人から分けてもらえたりと、アユは夏の魚というイメージがあります。

アユ

アユは、山々が紅葉する秋になると群れを作り、産卵のために河口付近まで下っていきます。

このような行動ををするアユのことを落ち鮎と呼ぶそうです。

河口付近に着くと、粒の小さな砂利質で泥の堆積のない水通しの良く砂利が動く川床で産卵をします。

仔魚は海や河口付近で育ち、春になると親が下ってきた川を遡っていきます。

アユは、川魚のイメージが強いと思いますが、小さな時は海に住み、大人になると川に住む回遊魚なのです。

そういう理由で、この季節になるとちょうど人の近くの川にいるわけです。

更に詳しくアユについて知りたい方は、wikipediaのアユの項目を読んでみてください。なかなか興味深いです。


保津川のアユ

保津川を泳いでいるアユも海から来たアユかといえば、それは違うようです。

保津川のアユは、保津川漁業協同組合さんによって毎年放流されています。

令和2年度も稚鮎が全部で1200 kg。

保津川の上流から下流の様々な場所へ放流されています。

夏場に、保津川でアユ釣りをされている姿を見ると思いますが、釣り師さんが釣っているのは、放流されたアユだということになります。

毎年夏場に保津川でアユ釣りを楽しめるのは、漁協さんが放流されているからということですね。


保津川になぜ天然のアユがいないのか?

昔はもちろんいました。

では、なぜ今は天然のアユがいないのでしょうか?

それは人間が流れを制御するために、川の途中にたくさん堰を作ってしまったからです。

堰ができたおかげで、アユは上流へは上ることができなくなりました。

これが保津川に天然のアユがいなくなった大きな理由です。

当時の人は、魚が遡上していくことまでは考えて堰を設置しなかったようです。

遡上を拒まれるアユ


天然アユ復活に向けて

天然のアユ復活向けて、保津川の下流の桂川や淀川では様々な活動が行われています。

魚が遡上することができるように、魚道が設置されたり、魚道が無い堰ではアユの遡上調査とくみ上げ放流が行われています。

このような下流域からの地道な活動により、京都市内まではアユが戻ってくるようになりました。

京の恵みを生かす会ホームページ

しかし、まだ保津川までアユは遡上してきていません。嵐山の一之井堰がアユが保津川に上ることを難しくしているようです。

そこから、アユが上流に上れる手段ができれば、保津川まで天然のアユが遡上してくる可能性が出てくるそうです。

ちなみに、一之井堰には魚道はありませんが、かつて筏を通していた通路があるので、そちらのアユが使えれば上ってくるのかもしれません。


アユはきれいな水を好みます。

堰の問題が解決し、アユが保津川まで遡上してくるにはもうひとつ障害があります。

アユはきれいな水を好みます。

保津川上流には、日吉ダムがあり、そこから流れ出す濁水をなんとかする必要があります。

日吉ダムの濁水
日吉ダムから流れ出す濁水

この濁水の問題に取り組んでいるダムもあります。

愛知県豊田市にある矢作ダムでは、浮沈式濁水対策フェンスというものを使い、ダムに流入する清水と濁流が混ざらない工夫がされています。

矢作ダムホームページ>環境対策

昔は、もちろん日吉ダムより上流にも天然のアユがいました。

でも、今ではもう日吉ダムより上へアユが遡上するのは完全に難しい状態です。

桂川のアユは、日吉ダムから上と下で切り分けられてしまいましたが、日吉ダムを海と見立てて、陸封アユとして生息しているアユがいるようです。

残念ながら、日吉ダムの上流にある世木ダムから上流の上桂川へは魚道が無く、それ以上遡上することはありませんが、一定数のアユが生息しているそうです。

ダム湖に「陸封アユ」か 京都・日吉ダム、19年春に群れ発見(京都新聞記事)

人が変化させてしまった環境に合わせて、習慣を変え生きているアユには生命の力強さを感じます。


来年こそは、「保津川でアユ漁と川流れを楽しもう」開催を。

この時期、昨今の急激な環境変化により、長雨や急激に降る雨、またその影響によるダムの放流などの影響を保津川が受けることが多くなっています。

そのため、なかなか保津川を利用するイベントの開催が難しくなりつつあります。

保津川沿いで、人々が釣りやBBQを楽しむ姿は見受けられますが、川流れを楽しんだりや、水辺で気軽に遊ぶ姿はあまり見られません。

人と保津川との距離感は、昔比べて遠くなっているように感じます。

そんな中で、「保津川でアユ漁と川流れを楽しもう」は、実際に川へ入れて、水辺で楽しめる保津川沿いで唯一のイベントです。

プロジェクト保津川では、保津川を理想の風景にし、次の世代へと引き継ぐという目標を掲げて活動しています。

いつかはこのイベントで天然のアユをつかまえることができる日が来ることを夢見て、今後も活動を続けていきたいと思います。

ヒーロー

SNSの世界を見渡すと様々な方が様々な形で活躍されています。

今回は、そんなTwitterやYouTubeで見つけた環境保全に取り組まれている方々を紹介したいと思います。


京都のスパイダーマンさん

京都でごみ拾いをするリアルヒーローのスパイダーマンさんです。

街の人達を笑顔に…そして子供達の夢と笑顔を守れるように!と京都を中心に各地で清掃活動を行われています。

仮の姿は、自衛官さんのようです。

保津川でも、スパイダーマンさんの姿を見てみたいな。


ゴミヴィランから街の平和を守るリアルライフヒーローチーム NEXUS FOREVERさん

東京 渋谷を中心に各地で社会貢献のために活動するリアルライフヒーローチーム NEXUS FOREVERさんです。

路上に放置されたゴミ。排水溝に捨てられた吸殻。空き缶や瓶。

本来正しく処理されるはずだった物たちが街を汚し、悪者(ゴミヴィラン)となってしまっている現状を打開すべく、絆の力を胸に戦っておられます。

排水溝にたまったタバコの吸い殻の多さにはびっくりさせられます。

彼らこそ、本当のヒーローなのかも?

https://twitter.com/NexusHEROs/status/1245002412269522945?s=20


地球の未来を憂う心優しき宇宙人さん

宇宙からやってきて、地球人に啓発活動を行いながら清掃活動をされている宇宙人さんです。

物事の本質を見極める為に原理原則を美徳とし、持続可能な社会の実現と規範的感受性を持つ個の育成との接点を「ゴミなき世界の不都合なパラレル問題」として掲げて考察的活動をしている。宇宙人さん談

宇宙人目線で発せられるツイートには、時に心をえぐられます。

私たちも宇宙の目を通して、地球を見てみるといいのかもしれません。


ごみ拾い+スポーツ? PLAN8さん

世界初のクリーンアクティビティ!ピックアップスケートを普及されているPLAN8さんです。

ピックアップスケートとは、プレイすることで地球がクリーンになる、新感覚のクリーンアクティビティです。

ピックアップスケートで滑りながら、街に落ちているゴミをスピーディー、拾っていく姿はとてもかっこよく、きまっています。

ごみ拾いをかっこよくするなんて考えたこともありませんでした。


コースさん@ゴミ拾い専門YouTuberさん

TwitterとYouTubeを駆使して、福岡圏で清掃活動に取り組まれているYouTuberさんです。

時々、ごみ拾いをLive中継されたりしています。

最近は、コロナ感染防止のための啓発活動もされているようです。


清掃登山犬ハルさん

登山をしたことがある方は、こんな風に思ったことありませんか?

「なぜ、こんな大自然の中にごみの落ちているのだろうか?」

三重県の山に捨てられたゴミ拾いされているボーダーコリーの女の子ハルさんです♪

人間が山に捨てたごみをご主人さんといっしょに拾ってくれています。

ありがとう。


福岡県の海を守るYouTuber De2さん。

保津川の川岸にひっかかっているごみを見るだけでもひどいものだと思いますが、De2さんのチャンネルを見ていると海のごみはまた規模が違うということを教えてくれます。

山のような数のライター、山のような数のペットボトル、山のような発砲スチロール、ポリタンクにたくさん漁具、そして砂にまじったたくさんのマイクロプラスチック。

海ごみの多くが内陸部から出ているということがわかっていますが、改めて考えさせられます。


清掃活動YouTuber・志郎さん

仕事の帰りに、さっそうと現場に駆け付け清掃活動。

人がポイ捨てするごみを拾って帰る。

孤高清掃活動系YouTuberさんです。

何度も同じ場所のごみを拾うことで、習慣的にごみを捨てる人が無くなることを教えてくれます。


トレジャーハントと言いつつ、川をきれいにしてくれている宝探しちゃんねるATENALESさん

磁石を使って、川を探りトレジャーハントされている宝探しちゃんねるATENALESさんです。

磁石には、お宝以外にたくさんの鉄くずが引っ付いてきます。

時には驚くようなものまで。

ごみを川から引き揚げ、時に自治体へ回収を依頼したり、貴重品を見つけたら警察に通報されたりと、本来の目的はトレジャーハントなのでしょうが、同時に川をきれいにしてくれているYouTuberさんです。

ほんとに楽しそうに川を探る姿がとても印象的です。

トレジャーハンターって、かっこいい職業ですね。

保津川にもお宝が流れ着いていないでしょうか?

探ってみたはありませんか?

ここに掲載している方々は、SNSを利用し環境保全活動をされている方のごく一部です。

日本以外にも世界中でたくさんの方が活躍されています。

ぜひ、皆さんが利用されているSNSの中で、彼らのようなヒーローを見つけてみてください。

見つけたら、感謝の気持ちを込めつつ、いいね!やハートマークを押しておきましょう。


亀岡市では、エコウォーカーを募集中です。

亀岡市では、ウォーキングしながら気軽にできる新感覚の清掃活動を実施する「エコウォーカー」を募集されています。

コロナウイルスの感染拡大防止のため、町内会やNPOなどのグループでのボランティア活動が難しい時期ですが、エコウォーカーなら個人ででもできます。

皆さんも参加してみてはいかがですか?

エコウォーカーの募集について