2023/01/20
第156回保津川クリーン作戦を亀岡市篠町山本浜で開催しました。
新年最初の保津川クリーン作戦を1月15日に亀岡市篠町山本浜で開催しました。
早朝から35人方が参加してくださいました。
参加団体:南丹清掃、大本、BANBA、日進浄化槽センター、日本メンテナス、鉄焼ジョニー、住友生命、たまり場
山本浜は、保津川と篠町内から流れて来る鵜ノ川の合流点にあります。
すぐ目の間には、保津峡谷の入口が見える場所です。
ここで見逃すと亀岡市内から流出するごみが下流地域へと流れ出てしまいます。
保津川下りに乗船するたくさんの観光客の皆さんに、川を流れたり、水辺に浮かぶプラスチックごみを見せたくはありません。
1時間ほど河辺や周辺での活動で、まとめられたビールの空き缶、レジ袋、ペットボトルなど、土嚢袋18袋のごみや粗大ごみを回収することができました。
寒い中、早朝からご参加頂いた皆さんのご協力に感謝いたします。
水辺のごみ見っけ
今回も全国川ごみネットワークが実施している水辺のごみ見っけ!「全国の水辺でのごみを見つけ、ペットボトル、レジ袋、カップ型飲料容器の個数を数えるごみ調査」を行いました。
ペットボトル219本、レジ袋23枚、カップ型飲料容器4個という結果でした。
ちなみに、前回去年の6/19に山本浜で行った水辺のごみ見っけ!では、ペットボトル81本、レジ袋10枚、カップ型飲料容器5個という結果でした。
なぜか、ペットボトルの数が3倍近くになっています。
確かな理由はわかりませんが、昨年の秋ぐらいから外出する人や観光客が増えた影響なのかもしれません。
過去の川辺のごみ見っけ!の調査の中でも、今回のペットボトルの数は群を抜いて多い日となってしまいました。
プラスチック製レジ袋の有償化や提供禁止の効果?
最近では、ペットボトルの扱いについても議論が始まりつつあります。
その先駆けになったのがプラスチック製レジ袋の有償化や、提供が禁止されたことだと思います。
全国では、2020年7月1日にプラスチック製買物袋の有料化が始まり、亀岡市では2021年1月1日から有料無料に関わらずプラスチック製レジ袋の提供が禁止になりました。
2022年4月からは、プラスチック資源循環法の施行がされ、これまで無料でもらえていたプラスチック製スプーンやストローが有料化されます。
そういった影響もあるのか、レジ袋の有料化や、提供禁止の効果について、疑問を投げかけるような著名人の発言や新聞記事を最近よく見かけます。
総務省によると、日本から毎年排出される廃プラスチックのうちレジ袋が占める割合は2%程度だそうです。(2021年の廃プラ総排出量824万t)
レジ袋やプラスチック製品の有料化に疑義を持つ方の意見は、「規制しても2%しか減らない。」、「燃やす方が効率が良い。」、「人にとっては手間が増える。」、「規制が有効だという実証データがない。」というようなものです。
たしかに、マクロ視点で見ると、レジ袋を規制することで、他の環境負荷が生まれたり、代替のための手間や費用がかかるなど別の問題が出てくるのかもしれません。
ただ、こういった意見や記事を見るたびに、少しもやっとします。
レジ袋有料化後の保津川の様子
なぜかというと、規制が始まってから、保津川に流れて出すレジ袋の量が明らかに減っているからです。
見に見えて効果も感じるし、水辺のごみ見っけ!の調査からも実感しているからです。
ですから、識者の意見を聞いたり、効果についての議論があがると、「一理あるな。」と思いつつも、もやっともするのです。
保津川での水辺のごみ見っけ!調査結果
亀岡市でのレジ袋提供禁止前、2020年以前の保津川やその支流の川での調査結果
2019年4/28~5/5 BBQごみ一掃作戦 10日間の調査結果 保津川沿い他
レジ袋405枚/10日=40.5枚、ペットボトル180本、カップ型飲料容器20個
2019年10月10日 第124回保津川クリーン作戦 場所:保津大橋周辺
レジ袋79枚、ペットボトル 86本、カップ型飲料容器41個
2019年11月10日 南郷池・南郷公園クリーン作戦 場所:南郷池周辺
レジ袋69枚、ペットボトル46本、カップ型飲料容器24個
2020年6月21日 第130回保津川クリーン作戦 場所:山本浜周辺
レジ袋121枚、ペットボトル127本、カップ型飲料容器23個
2020年9月10日 第132回保津川クリーン作戦 場所:宇津根橋周辺
レジ袋103枚、ペットボトル 138本、カップ型飲料容器16個
亀岡市でのレジ袋提禁止後、2021年1月1日以降の保津川やその支流の川での調査結果
2021年4月18日 第1回保津川クリーン作戦 場所:曽我谷川河口付近
レジ袋68枚、ペットボトル85本、飲料用プラカップ25個
2021年4/29~5/9 BBQごみ一掃作戦 9日間の調査結果 保津川沿い他
レジ袋63枚/9日=7枚、ペットボトル292本、カップ型飲料容器21個
2021年6月20日 第140回保津川クリーン作戦 場所:保津小橋周辺
レジ袋21枚、ペットボトル100本、カップ型飲料容器7個
2022年4月17日 第148回保津川クリーン作戦 場所:出背橋周辺
レジ袋30枚、ペットボトル63本、カップ型飲料容器4個
2022年4/29~5/8 BBQごみ一掃作戦 9日間の調査結果 保津川沿い他
レジ袋153枚/9日=17枚、ペットボトル432本、カップ型飲料容器20個
2022年6月20日 第150回保津川クリーン作戦 場所:山本浜周辺
レジ袋10枚、ペットボトル81本、カップ型飲料容器5個
2022年7月1日 第151回保津川クリーン作戦 場所:西川周辺
レジ袋72枚、ペットボトル15本、カップ型飲料容器0個
2022年9月1日 第152回保津川クリーン作戦 場所:出背橋周辺
レジ袋79枚、ペットボトル87本、カップ型飲料容器14個
【今回】2023年1月15日 第156回保津川クリーン作戦 場所:山本浜
レジ袋23枚、ペットボトル219本、カップ型飲料容器4個
調査場所や時期も違い、バラつきもありますが毎回100枚近くのレジ袋を回収していたのが、「亀岡市プラスチック製レジ袋の提供禁止に関する条例」が施行された2021年1月1日以降は、極端にレジ袋が減っていきました。同時に、拾われても、古い物だったりすることが増えてきました。
全国川ごみネットワークによる水辺のごみ見っけ!2021年度調査結果
水辺のごみ見っけ!で拾われるごみの経年変化のグラフです。
全国川ごみネットワークによる調査結果でも、プラスチック製買物袋の有料化後の2020年から回収されるレジ袋の数が半減しています。
人は評価してくれないのかもしれませんが、きっと保津川や日本中の河川、自然環境は、レジ袋の有料化や提供禁止の効果を認めてくれているのではないでしょうか。
規制によって、コストがかかったり、以前と比べて生活が不便になるのかもしれませんが、それよりは、川にごみが浮かんでいない世界の方が、人にとっても自然にとっても良い気がします。
近江商人に心得に、三方良しというものがあります。
自らの利益のためだけでなく、社会貢献活動を視野においた商いの精神は、【売り手よし】【買い手よし】【世間よし】すなわち【三方よし】という考え方だそうです。
この三方良しの一つ、「世間良し」には、自然環境にも良しという考え方を含めていくのが良いのではないでしょうか。
もともと、レジ袋の有料化や、提供禁止は、川や海へのプラスチック製ごみの流出を防ぐために始まったことだったはずです。
次回の保津川クリーン作戦は?
プロジェクト保津川では、2月、3月と様々なイベント・講座を予定しています。
そのため、次回の保津川クリーン作戦は、4月以降となります。
詳細、後日おしらせいたします。
今後の予定
2/4(土)まいまい京都 ジビエツアー
2/11(土)筏復活プロジェクト ※12/21追記
2/19(日)環境フェスティバル
3/5(日)保津川の日