2008/04/14

第5回定例清掃会~城下町クリーンウォーク編

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さて、雑水川の掃除の後は、亀岡市文化資料館とのコラボ・イベント、城下町クリーンウォークが開催されました。

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古くから開けた亀岡盆地ではありましたが、やはり現在の町並みの礎となったのは、織田信長の命を受けた明智光秀による丹波平定とその後の亀山城築城にともなう城下町の形成でしょう。亀山城の内濠である南郷池のほとりの南郷公園には「明智光秀公築城亀山城城趾」の石碑が建てられています。

織田信長の命を受けて丹波攻略に従事中であった明智光秀が、口丹波にある亀岡盆地の中心であった亀山に天正6年(1578年)から築城したのが亀山城の歴史の始まり。丹波平定後は
そのまま丹波経営の拠点となりましたが、光秀は天正10年(1582年)に本能寺の変を起こしますが、天王山の戦いで羽柴秀吉に敗れて討死にします。その後は天下を統一
した秀吉の重要拠点として一門の羽柴秀勝・羽柴秀俊などが入った。

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今回の城下町ウォークの集合場所となったのは、その南郷池の「鯱(しゃちほこ)」の像の前。

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南郷公園にある鯱像は、もちろん近年の複製ですが、なんと、現物も京都府立医科大学に現存しているそうです。

現在残っている鯱は、徳川家康による「天下普請」で、幕府が西国大名に命じ近世城郭として亀山城を大修築した際に建築された天守の上に飾られていたものだそうです。この天下普請の際には、城造りの名人といわれたかの藤堂高虎が指揮をとり、慶長15年(1610年)夏ごろに完成したそうで、本丸には鯱の台座に描かれているような五層の層塔型天守が造られたそうです。ちなみにこの天守は、本来今治城で使用する目的であったものを転用したものだとか。

古くは足利尊氏(高氏)が、後醍醐天皇の綸旨を受けて鎌倉幕府の六波羅探題に攻め入るために立ち上がったのもこの亀岡の地。秀吉の死後に天下を手中にした徳川家康も、京の都の「喉もと」ともいうべきこの地域を重要視し、譜代や親藩の大名を配置しています。

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さて、春のポカポカ陽気のもと、城下町ウォークのスタートです。今回のこのイベントは、先日完成したプロジェクト保津川の「のぼり」の、皆さんへの初披露でもありました。沿道をこのノボリをもって歩いていると、車のドライバーのみなさんも「何やろ?」という視線でご覧になっていました。日曜日にこのノボリをご覧になった皆さん、プロジェクト保津川をよろしくお願いします!

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イヌフグリにタンポポ。春ですね。

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さて、今は宗教法人大本の所有となっている亀山城内に入っていきます。この門が、かつての亀山城の大手門。かつては鎧兜に身を包んだ武者たちが列をなして行進したのでしょうか。もしかしたら、本能寺の変の時にも、この場所を光秀の軍勢が行進していたのかも、と思うと、わくわくします。

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城内は、明治維新後の廃城令で建物は壊され、さらに大正・昭和期の政府の大本教に対する徹底的な宗教弾圧で徹底的に破壊されました。その後、石垣は信者さんたちの手によって修復され、往時の姿を私たちに伝えてくれています。石垣の中には、天下普請の際に築城を命じられた大名たちが、家紋などを刻んだ石も残っていて、長い歴史を感じさせてくれます。

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今回の城下町ウォークでは、文化資料館友の会のみなさんにガイドをお願いしました。普段、資料館に集まって歴史について学ばれている皆さんの知識はさすが!いつも何気なく目にしている風景も、また違って見えてきます。

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枝垂桜も満開です。

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古い町家が残る城下町を散策。

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上の写真の右側にある土盛りと竹やぶは亀山城の城下町の外側をぐるっと囲んでいた「御土居」です。もっとも外側になる「惣濠」を作った際に、その土砂を盛り上げて、城郭としたそうです。単に土を盛っただけでは崩れやすいので竹を植えたので、このような姿になったとか。

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今回は「クリーンウォーク」ということもあり、皆さんゴミ袋と火バサミを持っての散策です。街中で目立つのはやはりタバコの吸殻と空き缶やペットボトル。こういったゴミも、雨が降ると川に流れ込んでしまいます。

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亀岡の城下町には、こんな石の道標や愛宕燈篭がたくさん残っています。

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そういった歴史的に重要な場所には、最近、解説の立て札が設置されました。そんな場所で、丁寧な解説をしていただくと、いつもの町並みが、また違って見えてきます。

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また、秋の亀岡祭の際に鉾を出す「鉾街」には、鉾をしまっておく蔵があり、こんな説明版も設置されています。

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そしてまた、亀岡の城下町には名水もたくさんあります。以前にも造り酒屋のお話を紹介しましたが、いたるところに綺麗な湧き水が湧いているのです。実は、亀山城の外濠の水も、湧き水を流しているのですよ。そんな外濠の姿を今に伝えているのが、古世町にある親水公園。地元のみなさんの共同の野菜の洗い場として、今も現役の「濠」なのです。

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綺麗な水がこんこんと湧き出す空間。まさに街中のオアシスです。

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約2時間、城下町をお散歩してクリーンウォークは終了。文化資料館にゴールして、最後に黒川孝宏館長よりご挨拶。参加された皆様、お疲れ様でした。今回の「城下町クリーンウォーク」は、プロジェクト保津川としても、まったく初めての試みでした。これからも、川のこと、そして亀岡という町の魅力をどんどん発信していきたいと考えています。行き届かない点もたくさんあったとは思いますが、お気づきの点があれば、ぜひお知らせください。

(オマケ)

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クリーンウォークで集まったゴミ。終了後、スタッフでゴミの分別をしましたが、やはり空き缶、ペットボトルがほとんどでした。使い捨て文化、ポイ捨て文化、そろそろ真剣に考えるべき時ではないか、と思いました。

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その頃、朝の雑水川の清掃で使った胴長は資料館の屋上で干されていました。なんだかおかしな風景(笑)

プロジェクト保津川 原田

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