2021/06/28
第140回保津川クリーン作戦を保津川の象徴的な場所、保津小橋周辺で開催しました。
2021年6月20日(日)、亀岡市保津町の保津小橋周辺で保津川クリーン作戦を開催しました。
保津川小橋は、保津川下りの船が保津峡に入る前にくぐる小さな橋です。
保津町の住民の方が保津川右岸側にある田んぼへ通うため渡ったり、ウォーキングを楽しむ方が小橋を渡る姿を見かけます。
河川敷の整備が進み、小橋の近くにキャンプ場が設置されました。コロナの影響などもあるのか、大きなテントを張りキャンプを楽しむご家族やグループの姿をよく見かけるようになりました。
今回は、キャンパーの方の飛び入りもあり、全部で57人の方に参加して頂きました。
雲の多い空模様の下1時間ほどの活動で、20Lの土嚢袋22袋分のプラごみなどの他、BBQ網や自転車などを回収しました。
今回目についたのが、河川敷のテトラポットに張り付いた農業の肥料散布に使うプラスチック製の小さなカプセルです。被服肥料と呼ばれるもので、徐々に中の肥料が溶け出すことで、作物に適度に栄養を与えることができるものだそうです。
農業には、マルチなどプラスチック製の製品が使われることが多くあります。被覆肥料も含め、農業に起因するマイクロプラスチック問題の原因です。
被服肥料は、農作業の軽減に役に立つため、マイクロプラスチック問題を引き起こす要因になるということを知らずに使っている農家さんも多いと思います。
日用品からだけではなく、こういった私たちの活動が影響するマイクロプラスチック問題にも取り組んでいく必要があります。
また、今回も全国かわごみネットワークをの「水辺のごみみっけ!」の手法を使った調査も行いました。
ペットボトル100本、レジ袋21枚、カップ型飲料容器7個という結果でした。
まだまだペットボトルが多いのがわかりました。
亀岡市では、水筒を持ち歩くことでmymizuアプリを使い、市内の各施設やお店で無料で水をくめるという取り組みが進んでいます。
ペットボルトを拾うことも徐々に減ってくるのではないでしょうか。
今回も早朝より参加してくださった皆様、ありがとうございました。
少なからず日本人にも原因のある水資源問題
保津川クリーン作戦での活動でも、毎回ペットボトルがごみとして拾われています。
川に浮かんで流れるペットボトルを見るのは、わりと日常の風景です。
私たちが、そのペットボトルに入れらた水を買うようになったのはいつぐらいからでしょうか?
当初、家の水道をひねれば出てくる水を誰が買うのかと思った記憶があります。
でも、すぐにペットボトルに詰まった水を買うのが普通になっていました。
先日、こんなニュースがプロジェクト保津川のfacebookページでシェアされていました。
水資源についてのニュースです。
あのボルヴィックの水源が枯渇しているそうです。
ボルヴィックと言えば、緑色の丘が記されたラベルが特徴で、ペットボトルに入れられて売られている水として、日本人にとって親しみのあるミネラルウォーターではないでしょうか?
そのミネラルウォーターは、フランスの南西部にあるオーベルニュ地方のボルヴィックという町から日本に運ばれてきていたのをご存じでしたか?
かつて私はボルヴィックの水を自分で汲んでみたいと思い、ボルヴィックの空のペットボトルを持って、ボルヴィックへ行ったことがあります。
クレモン・フェランという町からバスに乗り最寄りのバス停まで行き、そこからけっこうな距離を歩いた記憶があります。
ようやくボルヴィックのインフォメーションセンターに到着し、「ボルヴィックの水を自分で汲みたいのですが」とたずねました。
すると受付の人は「ボルヴィックの水は、地下から汲み上げているので、自分で汲むのは無理ですよ」と言って、新品のボルヴィックのペットボトルを2本渡してくれました。
その時、初めてボルヴィックのペットボトルに詰められた水が地下から汲み上げられていることを知りました。
あれから、20年以上、その水が枯渇しかかったいるそうで、近隣では干ばつが起こり、農業に影響が出てきているそうです。
水とペットボトル
外国の水が容易に、日本で飲むことができるようになったのには、ペットボトルが大きな役割を担っています。
ペットボトルは、瓶などよりも安価に水を運ぶ手段を提供しました。
人間は後先に考えずに、これは便利だ、儲かるとじゃんじゃん水をペットボトルに詰めて、売りました。外国にまで運びました。
その結果、ボルヴィックでは水資源が枯渇するという状態がおとずれたということです。
同時に、ペットボトルはプラスチックごみ問題の一因になりました。
今から考えたら、ほんとにペットボトルにまで詰めて水を輸入する必要があったのだろうかとさえ思います。
これがフランスの水か、と飲んでいたあのミネラルウォーターの水源がそんな状態になっているのかと思うと、悲しい限りです。
日本国内でも、地方の水がたくさんペットボトルに詰められて売られています。
日本は水資源が豊富だと言われていますが、ボルヴィックと同じ問題が日本でもすぐに起こると思います。
たしかに、美味しい水は飲みたいですが、ほんとにそこまでして地方の水を飲む必要があるのでしょうか?
ペットボトルのプラスチックごみ問題と、水の問題は並列で考え、同時に解決方法を考える問題なのかもしれません。
ちなみに、ボルヴィックは、販売元だったキリンビバレッジ株式会社が、2020年12月31日をもって、日本での販売を終了しています。
もうあのボルヴィックを日本では飲むことができません。