2010/11/18
紅葉の保津川を遡る!
見ごろを迎えた保津峡の紅葉!通勤でこんな風景を毎日眺められるのは、幸せなことです。今年は、保津川下りのホームページの「船頭ブログ」で、船頭さんが毎日、紅葉の最新の様子を紹介してくださっていますので、このブログでは代わりに上流までさかのぼってみましょう!
まずは保津峡一の紅葉の名所、「女渕」。ちなみにこの景観を守るために、船頭さんたちによる植樹や外来植物の伐採なんかも行われているんですよ。
トンネルを1つ抜けると、昔、丹波亀山藩の御殿様が漁を楽しんだという「殿の漁場」。ちょうど、舟が下って行きました。
さて、亀岡盆地の周りの山々はこんな感じです。この辺りは皇室にも献上される、丹波台納言小豆の最高品種、「馬路大納言」の産地でもあります。ちょうど、雲の切れ間から日がさして、紅葉が鮮やかに!でも携帯のカメラだといまいちですね・・・。
そこからもう少し北上すると、京の三沢の池のひとつ、「平の沢池」。夏には、珍しいオニバスの花が咲くことで知られる池にも、冬の使者、渡り鳥がたくさんやってきています。
さて、いったん山道に入り、八木町神吉方面をめざします。すると山の中に突然広がるこの風景。実は、「廻り田池」というため池です。旱魃時になると農業用水が不足するという事態を打開するために、明治から昭和にかけて元々あった自然の池を増築して作り上げた、農業用の大きなため池。冬になって、水が抜かれています。そうして、育てていた鯉を水揚げするのですが、それともう一つ、冬にきっちり水抜きをすることで水質悪化や池の底が浅くなることを防いでいるのですが、最近ではブラックバスなど外来種の繁殖を抑制する、という効果も見直されています。
さて、そのまま道を進むと、日吉ダムの上流部にある世木ダムのダム湖のほとりに出ます。手前の山の紅葉と、奥の山の杉や湖面の深緑のコントラストがなかなかに美しいですね。
下流のほうを見ると、世木ダムの堤体が見えます。この世木ダム、もともとは戦前に計画され、昭和26年に完成した発電用のダムです。ちなみにこのダムが出来たことで、京北町からの筏流しが不可能になり、千年以上の歴史があった大堰川の筏流しがその歴史を閉じました。
そしてこのダム自体も実は非常に珍しいダムです。というのは、下流には現在「日吉ダム」があるのですが、この日吉ダムの完成により、世木ダムの堤体は8割が水没することになったのですが、それでもなお、発電ダムとしての機能は維持しているのです。ダムが半分以上水没しながらも機能を維持している例は、全国でも珍しいとか。
日吉ダムの人造湖「天若湖」の紅葉はこんな感じ。今年はナラ枯れがひどく、紅葉の色もいまいち、とのことでした。そろそろ、このあたりの紅葉も終わりですね。
展望台にあった看板に、日吉ダムの水がどの町で使われているかが説明されていました。神戸まで、水が供給されているんですね!
最後は、ダム直下の「小道津」。大堰川(保津川)舟運の出発点だった港があったところです。川をさかのぼる、といいながら、下ってますね(笑)ちなみにこの上流には、温泉施設「スプリングスひよし」があるのですが、赤や黄色に紅葉した山の木々を眺めながらの露天風呂は最高ですよ!
以上、駆け足で紅葉レポートでした!