2010/06/19
淀川庭窪わんど外来水生植物駆除活動に参加してきました!
今日は大阪の淀川で開催された外来水生植物の駆除作業に参加してきました。さてその成果は?
大阪府内の淀川の3か所で一斉に行われた外来水生植物の一斉作業、私は守口市の庭窪わんどでの作業に参加しました。地元の方のほか、大学や行政、企業から約60人の方が集まっての作業、回を追うごとに参加者数も増えてうれしい限りです。
ところで「わんど」とは、かつて淀川の水運が盛んだったころに、蒸気船が川を通れるように水路を確保したあとに出来た、人工の入り江のような場所のこと。流れが穏やかなことから、魚の産卵場所や稚魚の生育場所にも適していて、希少生物の宝庫となりました。
「わんど」について詳しくはこちら↓
http://www.yodogawa.kkr.mlit.go.jp/know/nature/wando/index.html
ところが、このわんど、最近ではすっかり外来魚や外来植物にとってかわられ、さらに大量の漂着ごみに覆い尽くされるようになってしまいました。そこで、この外来水生植物と漂着ごみを除去しよう、と行われたのが今回の作業でした。
今回からは、今年秋に名古屋で開催される生物多様性条約の締約国会議(COP10)にちなんで行われている環境省の「COP10パートナーシップ事業」に登録され、大阪府が事務局(主催)となり、国土交通省河川事務所(支援)のもと、大阪産業大学、大阪商業大学、三洋電機、パナソニックグループ、地域NPOなどの団体の協力で実施されています。
さて、朝10時に集合して、簡単な自己紹介と諸注意の後、いよいよ作業開始。若い男子学生を中心に胴長靴を履いた水中班と、回収されたゴミと外来水生植物の分別作業を行う「陸上班」に分かれての作業となります。
今回で4回目の作業となる学生さんの作業は随分と手慣れたもの。「熊手」を使ってプカプカと浮いている発泡スチロールやペットボトルを手際よく集めていきます。びっしりと根をはった「ナガエツルトゲイトウ」や、水面を覆い尽くす赤い「アゾラ」、ぜんぶ外来種です。水中で、ずっしりと重いゴミや水草を集めるのはなかなかの重労働。
そうして集めた水草やゴミは、いったんボートに乗せて、陸上に引き上げます。これがまたどっしりと重く、みんなで力を合わせて引き上げないと動きません。
そうして陸上に引き上げたボートを、ひっくり返して水草とゴミを降ろします。
今度は陸上班の出番です。大量の水草の中から、ゴミだけを取り出して袋に詰めていきます。ゴミは、ペットボトル、缶、ビン、その他に分類します。保津川と違って下流部なので、いろいろなゴミがありますが、中でも発泡スチロールはかなり粉々になっていて集めるだけで一苦労。
少しずつ、水面が現れてきました。こうして水草を除去することで水中にまで光がさし、水質も改善されるのです。ちなみにこの場所は、大阪府営水道庭窪浄水場の取水施設もあるところです。この駆除作業は、在来生物を守るだけではなく、水道の水質のためにも大きな意義のあることなのだそうです。
上流から流れてきたゴミの中には、こんなものも。田植え機用の苗箱です。この辺りには水田はありませんから、上流のどこかから流れてきたものでしょう。
漂着ごみの中には、こんなトンデモごみも。そう、注射器です。糖尿病治療のインシュリン注射用に販売されていたものですが、現在ではインシュリン注射用の注射器はペン型のものに変わっていています。ですが、十分な管理をされずに大量に販売されたのが覚せい剤用に横流しされたりもしているそうです。
それよりも問題なのが、感染症の危険もある医療ゴミであるにも関わらず、その廃棄方法は自治体ごとの判断に任され、統一されたルールがない、ということです。ペットボトルと同じく、社会の制度の不備が原因で生まれる漂着ゴミ、なんとかしないといけませんね。
さて、作業開始前はこんな感じだったのですが・・・。
1時間ほどの作業でご覧の通り。まさに「劇的before and after!」です。実は手前にびっしり生えている草も外来種の水草ですが、今回の駆除は断念。それでもずいぶんとすっきりしました。
最後に、大阪府水生生物センターの内藤主任研究員よりあいさつがありました。ちなみに内藤さんは保津川のアユモドキの保全にもご協力をいただいている方です。テレビ出演にもよく出演されているので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
最後にみんなで記念撮影!お疲れさまでした。
ちなみに今日行われた作業の成果は以下のようなものだったそうです。(重量は駆除した植物の量で、ゴミは含んでいません)
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点野わんど 1.2t (70名)
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庭窪わんど 3.0t (60名)
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赤川わんど 1.5t (80名)
3か所で、210人のみなさんで5.7tの外来水生植物を駆除することができました。ちなみに庭窪わんどでのゴミの回収量は、45リットルのゴミ袋に80袋でした!
赤川わんどでの作業は今夕のNHKニュースでも報道されましたが、共同通信社の配信で明日の京都新聞や大阪日日新聞でも記事が掲載される予定ということですので、ぜひご覧ください!
上流から河口まで、川を守る活動の輪が広がっているのは、うれしい限りですね!
- 作業に参加されたBYOSクリーンネットワークのブログでも、当日の様子が紹介されています。
http://blogs.yahoo.co.jp/byos2008/25129759.html
- 20日付の新聞各紙でも報道されました(共同通信社の配信による)
http://www.47news.jp/CN/201006/CN2010061901000515.html