2010/05/10
第29回定例清掃会が開催されました!
さわやかな青空のもと、第29回定例清掃会が開催されました。保津川のシンボルフィッシュ、アユモドキの産卵場所をみんなできれいに!と行われた今回の定例清掃会の様子をお届けします。
開会式では、湯浅亀岡副市長のあいさつのあと、アユモドキの研究の第一人者、京都大学の岩田先生から、アユモドキについて説明をしていただきました。
国の天然記念物でもあるアユモドキ、その名の通り、鮎によく似ているのですが実はドジョウの仲間。そして世界中で京都と岡山にしか住んでいません。その京都府内唯一にして、琵琶湖淀川水系唯一の生息地が亀岡市内の保津川。アユモドキは変わった魚で、産卵期が来たからといってもそれだけでは産卵を始めません。もともとは東南アジアにルーツを持つ魚、雨期に水位が上昇して出来る一時水域、早い話が川のそばの水たまりに卵を産みます。そう、水位上昇が刺激になって産卵する、という変わった魚なのです。
じゃあ、東南アジアのような明確な雨期というものがないのに、なぜ保津川に住み続けることが出来たのかというと、水田に水を入れるために川をせき止める=水位が上がることが彼らにとって産卵のサインになるのです。そして、その産卵の場所がまさに今日、清掃した場所なのです。
今回の清掃会は、NPO法人亀岡 人と自然のネットワークのみなさんの呼びかけで開催しました。そしてプロジェクト保津川からもたくさんの方にお越しいただいたのですが、その中で一番遠くから来られた方は?というと、なんとネパール!!
毎年この時期、保津峡のラフティング・カンパニーのBIG SMILEでは、人材交流ということで、ネパールのラフティングインストラクターのみなさんを招待されています。今年もそのみなさんたちが駆けつけてくださったのでした。
また、今回の清掃会では、大阪のNPO法人エコネット近畿のみなさんにご協力いただいて、ゴミの調査手法の講習会も行いました。上の写真の右の方が手にされているのが調査用のデータシート。実はこのデータシート、ICC(International Coastal Clean-up)という、世界共通の調査用のデータシートです。
世界共通の調査手法で、どこにどんなごみがどれくらいあるのかを明らかにして、漂着ゴミ問題を解決していこうという取り組み、日本ではJEAN/全国クリーンアップ事務局が中心となって調査を実施されています。
今回は、時間の都合で十分な講習会、というわけにはいきませんでしたが、調査を体験さrた皆さんからは、ただ単にゴミを拾うだけではなく、調べるという視点が加わることで、思っていたのとは違うゴミが多いなぁ、といったような感想をお話しされていたりしました。
エコネット近畿の方は、回収したゴミを入れた袋の一部を広げて、細かいゴミまでしっかり調べるサンプル調査も実施されていました。あとで伺ったお話では、淀川下流などとは違って、今日清掃した場所では建築資材や農業系のゴミが多かったそうです。それからもうひとつ面白かったのが、意外にペットボトルが少なく、その一方で空き缶はたくさん沈んでいたこと。ペットボトルは軽く、また空になっていてもキャップがついているので水に浮きます。つまり、大雨で増水した時にペットボトルはプカプカと流され、保津川の本流に流され、そして保津峡に大量に漂着する、ということが今回の調査からも推測されます。
こんな大きな建築資材も草むらに大量に捨てられていました。これがまた重いうえに草がからまり撤去が大変!ずいぶんと汗をかいてしまいました。
これが今日の成果です。20Lの土嚢袋が40袋のほか、バイク2台など粗大ごみも多数。とはいえ、昨年は土嚢袋が72袋と大量の不法投棄で、軽トラ2台分でしたから、これでも半減したことになります。
アユモドキの生息地ということで、地元保津町の農家のみなさんや行政も密漁防止のパトロールや土手の草刈りなど川の環境保全に普段から取り組まれていることの成果の一つともいえるでしょう。
また今回の清掃では、保津町自治会のみなさんとともに現在取り組んでいる保津川ゴミマップの調査の成果も反映して、特にゴミのおおい地点を事前にピックアップして清掃にあたりました。データがあると、清掃活動も効率的に行えるなあ、というのが私の感想でもありました。
近畿各地から、いろいろな方にお集まりいただけた今回の定例清掃会。いつも以上にワイワイガヤガヤと楽しい時間でもありました。お疲れ様でした!
今回の振る舞いは、筍のケーキにおはぎ。おはぎは「へき亭」の女将さんからの差し入れです。 筍のケーキは、アップルパイのような食感と味、大変美味しかったです!ちびっ子と岩田先生も大満足!
きれいになった“ゆりかご”で、今年もたくさんの赤ちゃんアユモドキが産まれるといいですね!