2009/03/30
保津川さくら便り(5)
嵐山の桜はそろそろ見ごろを迎えそうな気配、昨日もたくさんの観光客の人でにぎわっていました。嵐山の桜が咲き始めると、保津峡の桜前線は上流に向かって進んでいきます。今回のさくら便りは、保津川の上流、亀岡の桜の今の様子をお届けしましょう。
亀岡盆地から保津峡に入ってすぐの山肌にも、山桜の花が咲きはじめました。個人的には“豪勢”なソメイヨシノの花よりも、山の中でやさしく咲く山桜のほうが好きです。今なら、カモやおしどりといった冬の渡り鳥たちもまだ保津峡に居るので、冬から春へ、季節が移っているんだなあ、ということがより実感できます。
さて、冒頭の写真は亀岡の桜の名所、七谷川の桜でした。こちらはまだちらほらと咲きはじめ、といった感じ。
七谷川から少し行くと、徒然草にも登場する、丹波国一之宮・出雲大神宮があります。神池のほとりの桜もまだ咲き始め。
境内では、地元の農家の皆さんたちによる野菜市などが開かれていました。今年は創建1300年目を迎える出雲大神宮には「保津川」の語源となった三穂津姫命(ミホツヒメノミコト)がお祀りされています。足利尊氏によって建てられた重要文化財の本殿など、見どころもいっぱいの出雲大神宮です。
さらに進むと、嵯峨の大沢・広沢とともに「京の三沢」の一つである平の沢池があります。この平の沢池は、京都府内では唯一のオニバス群生地としても知られていて、冬ともなればたくさんの渡り鳥でもにぎわう自然豊かな池です。周囲の山々には、咲き始めた山桜がちらほらと。
保津川の北に広がる、このエリアは、丹波でももっとも早くから開けた地域で、平安時代の山陰古道が通っていた場所でもあります。近くには、丹波国分寺跡や丹波七福神めぐりなどもあり、のんびりとサイクリングにもぴったりの場所ですので、来週末あたりは桜を見に、ぜひ一度お越しください。
(H)