2009/02/27
「いいとこサミットin南丹」が開催されました
今日27日、亀岡市のガレリアかめおかで、「いいとこサミットin南丹」(主催:京都府南丹広域振興局)が開催されました。このイベントは、南丹地域で活躍する市民団体や企業が一堂に会して、南丹地域の魅力を全国に発信しよう、というもの。あいにくの雨の中、たくさんの人が集まり、熱い議論が行われました。
冒頭、「日本一の自慢話」と題しての2分間のスピーチが参加15団体によって行われました。私たちプロジェクト保津川は河原林理事が2番手として登場、残念ながらゴミが多数漂着している保津川の現状、しかし、さまざまな文化や自然をはぐくんできた保津川の魅力を紹介しました。2分間という限られた時間の発表ではありましたが、どの団体も、非常に魅力あふれる活動ばかりで大変興味深いものでした。
また会場では各団体のパネル展示も合わせて行われました。私たちは、保津川の環境問題を訴えるパネルと筏復活プロジェクトの紹介を行いました。ご年配の方からは、保津川の昔の様子をいろいろと話していただいたり、と逆に教えていただくことがたくさんありました。地元でのこうした展示は、他の地域で行った場合とはまた違う面白みがあります。
美山町から参加されていたNPO法人芦生自然学校の展示も、大変興味深いものでした。美山町・芦生の原生林を舞台に展開される魅力あふれる「学校」は、まさに、私たちがいつか保津川という舞台で取り組みたいと考えていることばかり。改めて、山や川が美しい姿のままであることの魅力を考えさせられました。
- NPO法人芦生自然学校:http://www.ashiu.org/
また、亀岡のお隣、南丹市八木町で活動されている「ECOレンジャー」の展示も興味深いものでした。「ECOレンジャー」は、地域の女性が中心となり、環境問題を身近にとらえ、環境問題への意識を子供から大人まで高めるきっかけづくりの活動を進めることを目指して設立された団体ですが、決して堅苦しくなく、楽しい活動を展開されています。
- ECOレンジャー: http://ameblo.jp/eco-ranger/
その中で、大変気になる展示が2つありました。その1つは、花火大会の後のクリーン作戦。亀岡の花火大会でも大量のゴミが問題になっていますが、南丹地域を代表する八木の花火大会では、ECOレンジャーのみなさんが大勢のお客さんを前に「ゴミをちらかさないで下さい。ボクたちの街を汚さないで下さい。」と呼びかけられたそうです。その結果、なんと前年に比べゴミが約8トンも減ったそうです。
また、南丹市は1人当たりのゴミ発生量が全国一少ない町だそうです。これは私も知らなかったのですが、地域を挙げての取り組みが、こういう目に見える形で実を結ぶとうれしいですね。亀岡も負けてられない!と思いました。
こちらは亀岡祭山鉾連合会のみなさん。揃いの法被が渋いですね。保津峡を切り拓いた神様がご神体の鍬山鉾の1/6の精巧な模型を展示されていました。亀岡祭も一時は衰退していましたが、近年は再び盛り上がり、今では11基の山鉾が巡行するようにまでなりました。まだまだ解決すべき課題はたくさんありますが、一つ一つ解決して、ともに亀岡を盛り上げたいですね、とお話していました。
第2部では、「南丹地域の内から感じる魅力と外から感じる魅力」をテーマにパネルディスカッションが行われました。コーディネーターは雑誌「Number」のスポーツジャーナリストなどでご活躍され、現在は株式会社クリップの代表として、「地域再生」をテーマにご活躍されている島田昭彦さん。島田さんは「from KYOTO」と題して、京都の魅力を世界に発信する仕事も手掛けられています。
- (株)クリップ: http://www.clip-fromkyoto.com/
サッカーの中田選手がイタリア・セリエAにデビューしたころ、ペルージャを訪れて、街の人に「どこから来たの?」と聞かれて「京都」と答えると、「世界遺産がいっぱいある素敵な街ね。私もいつか訪ねてみたいわ」、と言われて、故郷でもある京都の魅力に気付かされたそうです。
パネルディスカッションでは、プロジェクト保津川の学生スタッフでもある西村明弘さん、大西辰彦・京都学園大学経済学部教授、西川邦臣・京都新聞社丹波総局デスク、岩崎栄喜雄・NPO法人丹波みらい研究会代表の各氏が、それぞれのご経験を踏まえて、地域の魅力をどう発信していくのか、について話し合われました。
私たちも常に心掛けていることですが、「外からどう見られているのか?」を意識することが非常に大事だということ、そしてそのためには何よりも、活動に取り組んでいる自分たち自身が楽しくなければいけない、ということが話し合われました。
偶然ですが、今日開かれた別の会合でも、市民活動に取り組んでいる人たちは、とかく「想い」が強いばかりに、時としてそれが一般の人々の共感を呼ばない、ということが話題に上っていました。自分たちの活動をより深化させるためにも、どのようにして周囲の人々の共感を呼び、巻き込んでいくのか、当り前だけれども難しい課題です。
パネルディスカッションでは、フロアからも活発な意見がたくさん出されました。これまで、この南丹地域では、個々に素晴らしい取り組みはたくさんなされていましたが、今回のように行政区域の枠を超えて、それぞれの活動に携わる人々が一堂に会し、お互いに意見を交換する場というのはなかったように思います。すべての参加者がフラットな関係でわいわい議論をすることで、次の大きなステップにつながるのではないか、そんなふうに感じた今日の「サミット」でした。
(H)