2009/01/11
約35年ぶりに保津川を木造船が下りました。
本日(1月10日)、約35年ぶりに保津川を木造船が下りました。 進水式と合わせてレポートします。
昨夜からの雪が丹波の山々を雪景色へと変え、今朝も小雪がちらつく中、
保津川下りの船係留場において「保津川木造船進水式」が行われました。
出席者も約35年ぶりの木造船に興味深々。
注連縄のお飾りが新春を告げるかのよう。
さあ、いよいよ、進水式の始まりです。
今回の進水式の主催者でもあります「保津川の世界遺産登録をめざす会」の関本会長のあいさつが始まりを告げ、
栗山亀岡市長、自ら駆けつけごあいさつ。栗山市長になってからだんだんと保津川がそして亀岡がにぎやかになってきました!
おごそかに安全航行を祈願する祝詞が詠まれ、
地元・保津小学生による太鼓の演奏が華を添えます。
出席者、みなさんで、記念撮影。どの方のお顔もこの寒さにもかかわらず、ほころんで見えるのは私だけでしょうか。
この木造船復活の立役者たち。おじいさんパワーには頭が下がります(笑)
左から、上田潔さん(数少ない曳舟の経験者)、酒井昭雄さん(元筏士、船頭)、青山匠次さん(保津川最後の船大工)、藤坂正美さん(地元大工)。中野幸次さん(郷土歴史家)。
さあ、クレーン場まで木造船を引っ張ります。下には竹による「ころ」が敷かれ、
ゴロゴロっと、あっという間に!
いよいよ、クレーンに吊られて、保津川へ。
進水しても、油断は禁物!水漏れがないか、青山さんによる最終チェック! 昔はこんな風に板と板の隙間を「マキナワ」(シュロの毛などでつくられた縄状のもの)で埋めていたそうです。昔の船頭さん(特に船長)は常に、こういった応急処置の道具を弁当箱にいれて持ち運び、修理しながら航行していたこともあるそうです。「板子一枚下は地獄」とはこういうことなのでしょうか?
はじめての木造船に船頭さんたちもヒートアップ(笑)
試し乗りです。乗船者も初めて木造船に乗る方がほとんど。ましてや船頭さんもはじめて。一本一本確かめて竿をさしたり、櫂を引いたり、舵を動かしたり、舟の動きを確かめます。
見てください!今の保津川下りの舟(後方)と木造船(手前)ではこれだけ違うのです。舟の先は今の方がそりがきついですね。鼻先が上に上がっています。
「竿が差しやすい」とある船頭さんはおっしゃってました。
舟の後ろもこれだけ違います。
さあ、いよいよ、山本浜まで下ります。35年ぶりに保津川下りの乗船場に木造船が係留され、出発です。
どこかで見たことないですか?そうです。当団体の機関誌「Le fleuve」の表紙に使われた風景です。木造船ですとちょっと趣が違いますね~。
保津小橋も無事通過!無事通れるか筏復活の時と同じようにドキドキしました
時おり吹雪の中を…。
無事、山本浜まで到着。船頭さんご苦労様でした。
トラックに積まれ、いざ道の駅「ガレリアかめおか」へ
1月16日まで「ガレリアかめおか」に展示されています。お近くにお越しの際は是非お立ち寄りいただき、木造船をじかにご覧ください。
最後に木造船を操船された船頭さんの感想でこのレポートを締めくくりたいと思います。
「(木造船で)川を下ると、木の香りが漂ってくる。これがなんとも言えないくらい、心地よかった…。」
(K)