2008/12/16
保津川遊船エコ・グリーン委員会による桜の植樹が行われました
「未来の保津峡を花いっぱいに彩ろう!」を合言葉に昨年から始められた保津川遊船エコ・グリーン委員会による「さくらの植樹プロジェクト」が11日(木)、保津峡の“清水”(しみず)右岸で実施されました。
保津川下りの船頭さんたちで組織されるエコ・グリーン委員会による植樹は、昨年の女淵右岸のサクラに続き2度目の植樹作業となります。当日は早朝7時30分に委員会のメンバー8名に応援メンバー4名が加わり計12名が乗船場に集合、丸一日掛けて20本のサクラと1本のイチョウを植樹を行いました。
前日に用意しておいたサクラの苗や鹿防護ネット、肥料などを船に積み込み、現場となる“清水”を目指します。出航してから約40分ほどで現場である“清水”に到着。対岸には京都の銘木“北山杉”が植林されている美しい所。船を接岸し、勾配厳しい植樹現場までサクラの苗などを手分けして運びます。
荒れ放題となっている植樹予定地。まずは草刈機で雑木や草を刈り、植え込みし易いよう整備からはじめます。とはいえ、今回の植樹メンバーの殆どが昨年も参加した者達で構成されているので、草刈り後は、スコップでサクラの根を埋める穴を掘る人、肥料バーグを植樹ポイントに置く人、川の水をバケツで汲み上げる人など、実に段取りよく分業がなされ、効率よく順々にサクラが植えられていきました。
サクラの植樹作業は根を埋める穴掘りから立木までのハード面が終わってからが、実は手間の掛かる作業が多くあります。
鹿や猿に若木の皮を剥されないように、防護用ネットを張る作業や植え付けた木が風などで倒れないように添え木を組まなくてはなりません。これが実はテクニックがいる細かい作業で、時間がかかるのです。
この時期、渓谷の日暮れが早いので植樹は時間との勝負です。船で渓谷深い場所に来ている我々は日が暮れるまでに渓谷内を抜け嵐山まで下ってなくてはならないわけですが、今回の植樹作業もメンバーのみなさんの手際のよさに、土壌のやわらかさという好条件も手伝って、スムーズな工程で植樹を終えることができました。
全ての作業を終え、恒例の“みんなで記念写真”!このみんなの“笑顔”には、歴史ある保津峡の自然に「自分達の手で計画し、植えたんだ!」という“足跡”を残せた喜びと達成感が伺えます。
はるか1300年もの昔から筏による水運の歴史が始まり、角倉了以の開削によって舟運が始まってからも400年以上、遊船となっても100年以上の歴史を誇る保津川。その間、多くの人々によって守られてきた渓谷の自然、私たちはその遺産により今、四季の花に彩られた美しい渓谷保津川を満喫することができます。
この歴史の遺産と思いを次の世代の人達に受け継ぐのは、今に生きる我々の世代の使命でもあります。美しい保津峡を未来へ引き継いでいく為には、この植樹はまだ“ほんの小さな一歩”かもしれません。が、メンバーのみなさんの気持ちが“未来”という、夢と希望へ向かって行動できたことは、“大きな一歩”であったと確信します。
また、私にとっては、エコ・グリーン委員会の委員長任期の最後の年でした。
3年前に始まった保津川開削400年記念事業から一貫して保津峡・保津川に籠もってきた魅力の再発見と景観再生を目指し、微力ながら懸命に取り組んできましたが、今回の任期満了をもって、自分の中では一つの区切りが付いた気がしております。
時を経て、このサクラが花開き、艶やかに保津峡を彩る。それを観る乗船客が歓声をあげながら下る姿を想像するのなんとも楽しくロマンチックなこと。
“人間は生きた証として 何を残すのか?”
今、自分は何かを残せたような気がしています。
(T)
はっちんさん、保津川開削400年記念事業委員長からの三年間本当にお疲れ様でした。 初代委員長の功績は、未来永劫語り継がれる事でしょう。これからも今以上に植樹をして川を美しく綺麗にして行きましょうね。
私もはっちんさんからお話を伺うまで、まさか保津川がこんな状態になっているとは、にわかには信じられませんでした。保津川がかつての美しさを完全に取り戻すまで、まだまだ道のりは遠いですが、最初の第一歩を踏み出した船頭さんたちの想いを、みんなで受け継いでいきたいですね!