2008/08/31
第5回筏流しと舟運技術の聞き取り調査が行われました
9月10日の本番に向けた聞き取りと、筏づくりの予行練習が8月27日に亀岡市文化資料館で行われました。仕事帰りの保津川下りの船頭さん11人が酒井さん、上田さんのご指導を受けながら、2連の筏を試作しました。
今回は連絡協議会の各メンバーのほかに、TVや新聞などマスコミ関係者もたくさん取材に来られました。大きな注目の中、いよいよ本番に臨むことになります。
さて、今回の筏製作で使う木材は、亀岡市立保津小学校に保管されていた北山杉の磨き丸太(上写真)で、元筏師の上田さんに木材をチェックしてもらいました。1連に10本の木材を使いますが、長さや太さが微妙にことなるので並べ方も気をつけなければならないのです。
まず、木材をつなぐための準備に、丈夫な木の枝を置き、水に漬けて柔らかくした藤のつるを巻きつけながら、「カン」と呼ばれる金具を上から取り付けて固定します。このツルも船頭さんたちが前もって山で採ってきて準備しておいていただいたもの。2連目も同様にして組んでいきます。筏は1連目を「はな」、2連目を「わき」と言います。
そして1連目と2連目を連結させます。
次に、「しん」(連の端側3本の内側)と呼ばれる部分を、「かせ木」という丸太(少し細め)で固定します。保津峡の急流を下るために必要なパーツで、固定しないとバラバラになってしまうそうです。
最後に舵を付けます。舵は1連目の後ろに藤のつるで取り付けますが、きつく縛ると舵を動かすことはできないので、「あそび」を持たせなければなりません。この微妙な調節に船頭さんたちは苦戦していました。
2連の筏が完成すると、酒井さん、上田さんへの質問や試作した筏の出来具合を見てもらいました。
1時間半ほどで2連の筏が完成しました。次回の9月10日(水)では、午前中に酒井さん、上田さんのご指導をいただきながら3連の筏を作り、午後はさらに3連を地元小学生のみなさんとともに製作し、6連に連結して保津川下り乗船場から山本浜までの筏流しを実演します。
この先の天気に不安はありますが、1000年以上の歴史を持ち、京都や大坂の町の礎にもなった筏流しを約60年ぶりに復活するプロジェクトも、いよいよ大詰めとなりました。
(N)