2008/08/03
保津川遊船エコグリーン委員会による清掃が実施されました
月曜日に降った夕立で、保津川の最高水位は一気に163cmまで上がったのですが、増水により大量のゴミが漂着しました。そこで、一昨日、保津川遊船エコグリーン委員会による緊急の清掃活動が行なわれました。
今回の清掃では保津峡区間は遊船の舟で、保津峡入り口の山本浜までは機動力を行かして徒歩とラフティングボートによる清掃となりました。
ゴムボートに乗り込んだ船頭さんの背中には「船士魂」と大きく書かれています。遊船の組合の中では、船頭さんたちのことを「船士」と呼ばれているのですが、私には400年の伝統を背負い、川で生きていこうという男たちの「決意」のように見えます。
途中、保津小橋の橋脚や木々に引っ掛かっていた大きなゴミを回収するためにボートから身を乗り出して拾い上げることも。保津小橋のすぐ下流などは急流なので、ボートから滑り落ちると流れにのまれ大変な事になりかねない危険な場所もたくさんあります。実際、回収作業の途中、何箇所かで川に落ちてしまったそうです。まさに体を張っての作業なのです。
ボートに積み込めるゴミの量は限られているので、限界になると、その都度岸へ上げ、そのゴミを陸からついて行く軽トラックで回収します。今回はなんと、トタンの屋根板が2枚も!そしていつものごとく、たくさんのペットボトル、農業用肥袋とペットのえさ袋、タイヤを回収しました。このレギュラー・ゴミ、何とかならないものでしょうか?そしてまた、この時期特有のバーベキュー関連のゴミも多いように思いました。回収したゴミの量は、保津峡入り口までで土嚢袋で20袋、保津峡区間で30袋の計50袋と、トタン板などの粗大ゴミでした。
まだ暑い最中で仕事の疲れも残る中、船頭さんたちはボランティアで午後6時すぎまでハードなごみの回収作業に当ってくださいました。本当にお疲れさまでした。
ここ数日、北京オリンピックの影響か、毎日、大勢の外国のお客さんが保津川下りにお越しになっています。水曜日に保津川下りに乗船して保津峡区間のゴミの状況を調査した際も、フランス、オーストラリア、ネパールのお客さんと一緒でした。オリンピックの後には、フランスの柔道のチーム関係者も保津川下りに来られると聞いています。
また、保津大橋下などのBBQスポットも、かなり汚くなってきています。バーベキューをする人達のモラルの無さも嘆かわしいばかりです。
オリンピックでは中国の環境問題が世界的な話題となっていますが、日本も決して他人事ではありません。この保津川のゴミを海外の方にお見せすることは、保津川だけのことではなく、京都、しいては日本の環境への意識レベルを疑われることにもなりかねません。その意味からも、先日のNHKのTV番組でも“日本で一番の人気のある川下り”(年間30万人)である保津川を清掃する意義は大きいのではないでしょうか?
船頭さんたちによる清掃ももちろん大切ですが、それだけでは限界があります。大切なのは、いかにゴミを出さないか、市民ひとりひとりの心がけが、ひいては私たちの町に対する評価にもつながっていくと思います。みなさんのご協力をよろしくお願いします。