2008/07/16

第3回筏流しと舟運技術の聞き取り調査が行なわれました

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今日は亀岡市文化資料館にて3回目の保津川筏復活プロジェクトの聞き取り調査が行なわれました。

今回も、これまで同様に元筏士の亀岡市保津町の酒井昭男さん(80)、上田潔さん(89)のお2人をお招きしてお話を伺いました。聞き取り調査では、9月の筏復活プロジェクトに向けて、実際にどのような準備をすべきかいろいろと伺いました。その中で、たとえば筏士さんが使う棹は、ヒノキの間伐材で出来ていた、なんてことも新たに教えていただきました。保津川下りのような舟の場合は竹を使いますが、筏の場合は竹では弱すぎて折れてしまうため、ヒノキを使うのだとか。では、その棹は今も残ってますか?と伺うと、「いや、そんなもん畑の杭にみなつこうてしもた(笑)」と。でも、これって本当はとても大切なことですよね。地域で材料を調達し、使い終わったら別の目的にまた使う。うわべだけの「エコ」とは違う、本当に暮らしに根ざした、日本の本来の姿、今でも船頭さんは、やはり竹の棹が寿命を迎えると今度は畑に使う、というふうにある意味、究極のリユース。今も昔も、すべてにおいて地域で物質循環が完結する社会がここにはあるわけです。

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そのほかに、今回は筏士さんの衣装についても教えていただきました。写真の品は「ウチガイ」という、いわばウエストポーチ。これを腰に巻いて、その中にお弁当なんかを入れていたそうです。素敵な刺繍は「さしこ」といって、補強の意味があり、奥さんのお手製。だから、一人ずつ、模様が違ったそうです。他にも、たとえば上流の日吉や京北から下ってくる筏士さんは腰蓑をまとっていたけれど、亀岡の筏士さんはそんなことはなかった、などいろいろと興味深いお話が盛りだくさんでした。

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さて、文化資料館には昨日の夕方に仕事を終えられた保津川下りの若手船頭さんたちの協力により、筏に使う材木が搬入されました。この材木は、以前、上田さんが地元の保津小学校の児童のために筏体験を課外授業としてされていたときに使用されていたもの。本来の長さよりは少し短いですが、状態も非常によく、今年の筏復活プロジェクトでも使用させていただくことになりました。

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その中から適当に材木を抜き出し、1連の筏に相当する本数を並べてみんなでイメージトレーニング(?)

夕方からは関係各機関があつまって第5回目となる筏連絡協議会も開催しました。9月10日に向けて、準備は着々と進んでいます。また、当日お手伝いいただけるボランティアスタッフも引き続き募集していますので、ぜひプロジェクト保津川事務局までお問合せください。

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