2008/02/11
第3回定例清掃会と環境教室を開催しました(環境教室編)
さて、清掃会のあとはお楽しみの環境教室。記念すべき第1回目は「保津川の川魚食文化体験」。
今回の食材の魚は、こういうこともあろうかと、前日にプロジェクト保津川のメンバーが漁をして用意することになっていました。
が、昨日は激しい雪で視界が利かないなかでの漁だったため、魚も一匹も取れず。そこで、いろいろ手を尽くして、地元の方々にお願いして秋に捕って、地元の方の家庭に冷凍保存されていた魚を分けていただいたのでした。
ご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
まずは、亀岡市立文化資料館と会員の方にご協力いただいて貴重な伝統漁具を展示、解説しました。
単に眺めるだけではなく、実際に触ってみたりして、精巧な竹細工を初めて目にした人たちは一様に感心した様子。
こういう地域の伝統文化もどんどん発信していきたいですね。
続いて、京都学園大学の大西准教授より、「保津川の川魚食文化」と題して、保津川の魚や、その食文化について、広く東アジアの中の保津川、といった観点からお話いただきました。
保津川には日本に住んでいる淡水魚の種類の5分の1を見ることが出来る、国内有数の生物多様性を誇る川だそうです。また、日本の淡水魚やその食文化は、川と水田の連続性の中ではぐくまれてきたものであるということで、近年、保津川で行われている圃場整備や河川改修などは、ともすればその連続性を断ちかねない、すなわち文化そのものを失いかねないものではないか、と私は感じました。
さて、お待ちかね、亀岡行事食研究会のみなさんによる伝統的な川魚料理の紹介と実演です。
こちらは寒バヤの天ぷら。いい香りです。
かつてはこんな風に、魚を串に刺して炙ってから藁に刺して、天井にぶら下げて囲炉裏の煙でいぶしていたそうです。つまり、冬の間の保存食ですね。今回は炙った魚を、山椒と一緒に甘辛く炊いていただきます。
ワタを抜いたハヤをまずは素焼きに。いい香りが立ち込めます。そして、醤油、みりん、日本酒、山椒などと一緒にしばらく煮ると、、、
これが、その「寒バヤのたいたん」(炊いたもの、という意)。見ているだけでお腹が減ります。
こちらはゴリの佃煮。飴色に光っています。美味しそう・・・。
寒バヤの煮付け。生姜と梅干しで煮た魚は、骨までやわらかくなって、本当に美味しいのです。
川魚料理、勢ぞろいです。
出来上がった料理を、並べていただきました。今回、作っていただいた川魚料理やお味噌汁、お漬物、ご飯。。。すべて亀岡産の食材です。実に美味しそう、皆さん代わる代わる携帯で写真撮影です(笑)
ご飯は、みんなでおにぎりにしました。子どもたちも大活躍!
そして、あっという間に皆さんの胃袋に消えていったのでした!試食、どころかお腹一杯になるまで食べさせていただいて、大感激です。
同じ料理方法でも「雑魚(じゃこ)」というだけあって、似たような魚が混じっていたりもしたのですが、少しずつ違う味がしたり、作る人(家)によって味が少しずつ違ったり、と本当に豊かな川の文化を実感できました。
魚が取れなくてどうしよう、と思っていたら、色々な方に魚を分けていただいたり、いろんな料理を教えていただいたり、と、「失われた川魚文化」ではなく、今もしっかり地域に「生きている川魚文化」なんだなあ、ということも実感しました。
こんなイベントをこれからも開催していきたいと思っていますので、ぜひプロジェクト保津川のイベントに一度、お越し下さい。
最後なりましたが、亀岡市行事食研究会の皆様はじめご協力いただいた多くの皆様、ありがとうございました。