2008/06/21
川止め
昨夕から降り続いた雨のせいでしょうか、今朝は朝早くから保津川上流の日吉ダムが放水するという緊急放送が流れていました。
保津川下りの船頭さんの間では、船が運航できなくなることを「川止め」といいます。水位とそれに応じて必要な船頭の人数に応じて「三人水」「四人水」「五人水」、そして「川止め」。400年を超える経験の中から編み出された川のルール。しかしその経験も急速に進む宅地造成や河川改修、そして地球温暖化の影響でしょうか、頻発するゲリラ雨のような局地的な集中豪雨により、予測がつきにくくなっているそうです。
ベテランの船頭さんにお話を伺うと、かつては雨が降ってもゆっくりと水位が上がっていたのが、最近は30分くらいで急に水位が高くなり怖い、とおっしゃっていました。
今、淀川水系では河川管理者である国土交通省と、その諮問機関である淀川流域委員会がダム建設の是非をきっかけに意見が対立し、国交省がいわば「見切り発車」の形で河川整備計画を策定したために大きな批判が集まっています。また、地元自治体である滋賀県、京都府、大阪府の今後の対応に注目が集まっています。
しかし、この議論の過程で、船頭さんや漁師さんといった、「川に生きる人々」の声がまったく聞こえてこないのが不思議でなりません。
もう一度、先人からの経験を受け継いでこられて、誰よりも川と長い時間を共にされてきた人々の声に耳を傾けてみる時期ではないでしょうか。
プロジェクト保津川 原田