2009/09/07
保津川筏の復活プロジェクトを前に船頭さんが作戦会議!
いよいよあさって9日(水)に迫った「保津川筏復活プロジェクト2009」を前に、保津川下りの事務所で「実行部隊」となる船頭さんたちによる「筏作戦会議」が、NHK京都放送局の取材もまじえて行われました。
会議には、筏を操ったりサポート船を操る船頭さんたち11名が出席し、筏復活プロジェクトのリーダーである河原林理事から、当日の行程計画や筏に乗り込むメンバーなど配置体制の説明が行われた後、参加した船頭で「筏流しに関する操船技術」についての話し合いが持たれました。
今年で3年目となる「筏復活プロジェクト」、今回は半世紀ぶりに保津峡の激流に繰り出し嵐山まで流してしまうという、これまでにない本格的な筏流しを復活させるイベントになることから、筏の操縦経験のない我々船頭にとっても技術的な事前勉強が必要となります。
毎日、舟を流している保津川とはいえ、筏と舟では操縦技術や流すコース等が異なることから、筏の流れる形状や川の様子をしっかり踏まえたシュミレーションを行わなくてはならないのです。
シュミレーションは机上に白紙を広げ、川の流形を書き込み、将棋の駒を筏の連になぞらえ行われました。
これこそまさに船頭技術講習の真髄!!
私たちも新米船頭の頃、毎晩のように師匠の家に呼び出され、白紙に書かれた川の上に茶碗やおちょこを岩に、箸立てを舟に見立てて操船技術を学んだものです。
筏のシュミレーションでも同じ方法が取られたことに“伝統”を感じました。
今回筏を流すコースは保津川下りの航路行程で残り「3分の1」に当たる清滝川と保津川が合流する落合と呼ばれる場所から嵐山までの間。比較的流れが穏やかな区間ではありますが、「猿飛び」や「奥の段」、そして保津峡最後の急流「大瀬」などの難所があります。
その難所を「筏ならどのように流せばいいのか?」、熱い議論がたたかわされます。
参加した船頭さんたち全員が、保津川の「舟の流し方」にはそれぞれ「一家言」持っている者ばかり。「こう流せばどうやろ?」「いや、筏の場合は舟とは流れ方が違うので、上手くいかないのでは?」など、喧々諤々の議論が展開されました。
とにかく、今の保津川下りの船頭さんたちにとっては初めての筏流しです。事前に確かなシュミレーションは行われたというものの、やはり最後は日頃、川を流している“技術”と“勘”が一番の頼りだと思います。
当日は私も筏に乗り込み嵐山を目指します。
約半世紀ぶりに嵐山に保津川の筏が姿を現す、歴史的なイベント。祖父が筏士でもあった私達、一族にとっても感慨深いイベントでもあります。
自分を信じ、仲間を信じて、この歴史的なイベントを無事に成功させたいと思います。
(T)