2009/03/07

保津川下りの船頭さんたちによる一斉清掃が実施されました!

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春の観光シーズンを前に5日、保津川遊船企業組合(保津川下り)の船頭さんたちによる毎年恒例の保津川渓谷の一斉清掃が実施されました。

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「美しい保津川峡谷を観光客のみなさんに見て貰おう!」を合言葉に船頭総出で行なわれた川掃除は、亀岡市の保津川下り乗船場から京都・嵐山までの約16km間の保津川両岸で行なわれ、船を2艘出して漂着・漂流するごみを回収して下っていきます。

ほとんどの回収作業は船を川岸に着岸させ、歩いてごみを拾うのですが、川中の岩場や中洲では船を転回させ、接近して船上から直接回収する作業も行われます。この作業には操船する船頭さんにとって確かな技術と流れ、渦を読む正しい判断が要求される難しい作業でもあります。

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この時期の保津川は、深い朝霧が渓谷に幻想的な空間を映し、雪解け水を含んだ勢いある川の水が岩とぶつかり、白い水しぶきが舞う。まさに「自然が創り出す芸術景観」ともいうべき、心洗われる気持ちのいい渓谷なのですが・・・。

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そんな“保津川の美”を汚すもの・・・、それが「川のゴミ類」。川が増水する度に漂着・漂流するさまざまなゴミたち・・・ペットボトルや空き缶、スーパーのレジ袋、農業用肥料袋に農地に敷くビニール類などが我々を待ち受けているのです。

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まずは渓谷入り口にある「ガタロ岩」に上陸して、ごみの回収作業をスタート。「ガタロ」とはこの辺りでは「河童」のことをいい、古くから河童が上がる岩という言い伝えがあったそうです。最近、これだけごみが漂着すると河童も上がることができずさぞかしお困りのことと思いますが・・・。

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船はごみ漂着ポイント各所に着岸し、“上陸作戦”さながらに岸辺を埋め尽くしたゴミを順次回収していきます。

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どこから流れて来たのか?こんな大きな鉄板まで…これは重いです!

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おっと、畑や田んぼに敷く間切りビニール登場です!軽く4~5mはありましょうか。

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今回の掃除では空き缶が多く回収されました。ここ最近、雨降り続きで河川が増水していたので、浮かぶペットボトルやトレイなどのプラスチック類は下流へ流れてしまったのでしょうか?渓谷に流れ着いた空き缶のほとんどが砂を含んでいて、そのままごみ袋に回収していくと重たくて担いて歩けないので、岩や石に叩いて割り、缶中の砂抜きをしてから回収するのですが、これが相当の手間なのです。

日が暮れるまでという限られた時間内で予定の工程を終えなくてはならない春の川掃除では、空き缶1個、1個の砂抜きをする作業時間はかなりのタイムロス。しかし、見つけてた限りは全て回収しないと寝つきも悪くなるというもの、がんばって細かい作業を繰り返します。

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川掃除は体力的にもハードですが、なんといっても危険を伴う回収作業で、慎重さも大事です。船の航路から見える箇所なら、傾斜の険しい崖でもしがみ付き、枝に引っ掛かったゴミに手を伸ばし回収しなくてはなりません。もちろん命綱などなし、苔や岩質によっては長靴が滑り、落下の危険性も十分考えられます。

しかも片手にはゴミの入った重い土嚢袋を待って場合が多く、もう一方の手だけで体を支えているような状態です。平地でも鋭いトゲを持ったイバラが行く手を遮ります。手や足をすり切り、服を破りながらの作業です。

とはいえ、こんな作業を繰り返すうちに、船が嵐山に着く頃には、2艘の船がゴミ袋の山で一杯になっていました。嵐山に着いた船のごみの詰まった袋は、船上げ場で待っている
2tトラック一杯に積み替えられ亀岡の埋め立て処分場まで運ばれます。

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例年は1週間かけて行われる川掃除ですが、今年は2月後半から悪天候続きで船が出せず、作業日程は結局2日間しか取れず、全てのごみを回収することは出来ませんでしたが、一度も休憩を取らずに作業にあたってくれた船頭さんたちの頑張りで何とか、春のシーズンを前に美しい保津川を全国から訪ねてきていただけるお客さんたちにお見せすることができたと思います。船頭のみなさん、お疲れ様でした。

さあ、明日は定例清掃会です。今回の清掃会では、終了後に保津川下りの船の操船体験を行います。船頭さんにも今回の清掃の苦労話などもお聞きになってはいかがでしょうか?

では、明日、みなさんとお会いできることを楽しみにしています。

(T)

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