2008/06/19
保津川クリーン作戦のレポート
昨日、亀岡市環境政策課とプロジェクト保津川が共同で、保津峡の清掃活動「保津川クリーン作戦」を実施しました。
この清掃活動は、保津川開削400周年を期に、一昨年より亀岡市が実施しているもので今年で3回目を迎えます。今年は初めての試みとして、私たちプロジェクト保津川と共同で実施することとなりました。当初の予定では先週の水曜日(11日)に実施の予定でしたが、雨による増水のため、昨日に延期されていました。また、昨日は「亀岡山野草の会」のみなさんによるイワツツジの補植作業もあわせて実施されました。
朝9時に保津川下り乗船場を3艘の船に乗り込み、普段は立ち入ることさえ困難な場所の清掃やイワツツジの補植を実施したのですが、峡谷のゴミの惨状は目に余るものがありました。実は私は、峡谷で船から降りて清掃活動を行なうのは、まったく初めての経験でしたが、ここまで酷い、とは思っていませんでした。ゴミのほとんどは、レジ袋やペットボトル、お弁当の容器や発泡スチロールのトレイそして農業用肥料袋。もちろん、タイヤや自転車、家電製品、布団などの、いつもおなじみ?の不法投棄されたゴミもたくさんありますが、ほとんどはいわゆるポイ捨てのゴミです。言い換えれば、それを使った人がほんのちょっと、気をつければ、何の問題もないゴミばかりです。「捨てる人のモラルの問題」というには余りに無責任な現状がそこには広がっていました。
一歩間違えれば、川にドボン!なんて危険な箇所もいっぱいです。じめじめした蒸し暑さの中、草藁の中に紛れ込んだゴミを一つ一つ中腰で回収していくのは、本当に骨の折れる仕事です。「塵も積もれば山となる」とはまさにこのこと。少しくらいゴミを捨てたって、どうってことない、と、捨てた人は思っているのかもしれません。でもそんな「自分勝手」な気持ちが、川の環境にどれほどの影響を与えているのか、しっかりと考えてもらいたいと思います。さらに、ゴミは流れてくるものばかりではありません。上を道路が通っている場所では、そこからの不法投棄も積み重なっています。
メーカーやお店の皆さんにも、「モラル」だけでは片付けられないこの現実を直視して欲しいと思いました。保津川は、ダムの建設や護岸工事、改修工事、また水質やゴミなど、多くの問題を抱えています。そしてまた、嵐山や保津川下り、トロッコ列車といった観光地を抱えていて、さらには下流域の重要な水源でもあります。いわば、日本の川の問題の縮図がこの保津川にある、といってもいいでしょう。
結局集まったゴミは2tトラックに満載、重量にして630kgもの量でした。もし、このゴミをほうっておいたらどうなるのでしょう?毎年800万人近くの人が訪れる嵐山はどんな景色になるのでしょう?さらに海に流されたゴミはどうなるのでしょう?漂流するゴミをエサと間違って口にしてしまい、命を落とす動物もたくさんいるといいます。少しでも、そうなることを防ぐことが出来たら、と思って活動していますが、何よりも大きな励みになるのは、みなさんの応援と、そしてゴミを出さない、という少しずつの心がけです。
保津川は、本当はとても美しい川です。ほんの数十年前までは、ゴミもなければ、川底まで透き通って見えていたといいます。そんな川を取り戻し、守るために、ぜひ多くの皆さんのご協力をお願いします。
プロジェクト保津川 原田