2008/06/07

アユモドキ救出作業が実施されました

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国の天然記念物の「アユモドキ」の救出作業が、今朝、保津川の支流で実施され、プロジェクト保津川のスタッフも参加しました。

アユモドキは全国でも2カ所しか生息が確認されておらず、そのうちのひとつが亀岡市内の保津川流域です。

アユモドキなど、ドジョウやナマズの仲間は、もともと大雨などで急に水位が上がったときを見計らって、天敵の少ない氾濫原に移動して産卵します。それが長い人間との共生の中で、水田に水を引く際に農業用水となる川をせき止めることで生じる急激な水位上昇によって産卵するようになったといわれています。

近年では、ポンプによる揚水灌漑が普及し、川を人工的にせき止めて引水する農法は、ほとんど姿を消しています。そこで、水位を一時的に上昇させるため地元の土地改良区の皆さんが毎年1回、堰を稼動させてアユモドキの産卵に不可欠な水位上昇を人為的に起こすという作業を実施されています。そして、このダムより下流に取り残されてしまったアユモドキを救出しよう、というのが今日の事業です。

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これが川をせき止める農業用のゴム製せき(ファブリ・ダム)。

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作業の様子は、逐一記録されます。

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下流の干上がった川底から、卵を抱えた成魚や稚魚を研究者や市職員のみなさんで救出します。石積みの護岸もほとんどが姿を消していますが、ここには写真のような護岸が残っています。このような護岸だと、大雨などで増水したときにも、その隙間にアユモドキなど魚たちが隠れられるので、流されたりせずに、生き残ることができるのです。もちろん、天敵に襲われそうになったときの隠れ家にもなるわけですが、救出作業、といっても彼らは隠れてしまうので、作業も大変。

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これがアユモドキ!実は私も野生のものを見るのは初めてで、興奮してしまいました。たしかに、パッと見たらアユです。昔はたくさん居て、美味しく食べていたそうですが、今では許可無く触わるだけでも罰金刑なんですよ!昨年は、急増したブラックバスなど外来魚の影響もあって、アユモドキが激減してしまいましたが、今年はいつも以上に卵を抱えた大きなメスがたくさん居たそうです。

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保津川流域でも、この作業が始まった2004年当時は約150匹ほどしか居なかったアユモドキですが、最近では約1,000匹ほどにまで回復したと考えられています。地元農家の皆さんや、多くの市民の協力があってこそのカムバック・アユモドキです。

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救出されたアユモドキは、一匹ずつ身長測定。

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何匹かは、体重測定も。

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救出されたアユモドキは、京都学園大学の学生さんたちの手によって次から次へと運ばれて、データの記録が行なわれます。川がせき止められているのは、ほんの数時間のこと。時間との戦いです。

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大きなナマズやウナギなど、他にもいろいろな魚が救出されます。

アユモドキの救出作業の傍らでは、市役所や警察、地元自治会の皆さんによる密漁パトロール隊のミーティングも行なわれました。残念なことに、保津川流域でも、アユモドキの密漁はあとを絶たず、つい先日も不審者が発見されたそうです。もう一つの生息地である岡山・吉井川水系でも、密漁は大きな問題となっており、これらの密漁されたアユモドキはヤミで高値で取引されているそうで、密漁の防止には、地元の方だけではなく、幅広い市民の皆さんの目が不可欠です。不審者を見かけられたときは、すぐに警察に110番通報してください。

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アユモドキは体長や体重などのデータを収集した後、すぐに上流域に放流されました。さて、今回救出されたアユモドキは170匹。昨年が79匹だったことを考えると、保護活動のの成果でしょうか、順調に個体数が回復していると考えられます!

放流されたアユモドキの産卵は数日中に終わる見込みだそうです。保津川のシンボル、アユモドキが、将来、もっと身近な魚になる日が来るといいですね。

プロジェクト保津川 原田   

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