2008/11/03

「川の全国シンポジウム~淀川からの発信」に参加しました

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川のさまざまな問題を、全国の幅広い方々といっしょに考える「川の全国シンポジウム~淀川からの発進」が、2日(日)・3日(月)に京都大学で開催されました。

このシンポジウムは、特に今、ダム建設問題で揉めに揉めている淀川流域である京都で開催されるとあって、全国的にも大きな注目を集めていました。そんなシンポジウムにプロジェクト保津川もポスターセッションに参加しました。

私たちの展示では保津川のゴミ問題や絶滅の危機に瀕しているアユモドキなど、生きものの現在を訴えるポスターと、筏復活プロジェクトの紹介を行わせていただき、たくさんの方にご覧いただくことができました。また、天若湖アートプロジェクトで披露され好評を博した、京都市芸大の学生さんチーム制作の映画「みずになったふるさと」の上映会も開催され、こちらも大変にぎわったそうです。

ダム計画めぐり京滋の知事も意見 京大で「川の全国シンポ」

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河川整備のあり方を考える「川の全国シンポジウム淀川からの発信」(同実行委主催)が2日、京都市左京区の京都大で始まった。大戸川ダムなど4ダムの計画をめぐり、国土交通省近畿地方整備局と対立した同局諮問機関・淀川水系流域委員会の元委員や京都府、滋賀県の知事らが河川と住民の関係に意見を交わした。

約500人が参加。流域委の元委員らは同局が委員会意見を反映しない河川整備計画案をまとめたことに、「行政は組織を守ることが1番で、住民は2番」「議論の中身を担保する仕組みがなかった」など厳しく指摘した。

府の山田啓二知事は「流域の地域間対立を乗り越えるには関係自治体が尊重、配慮し合うことが大事」と強調。滋賀県の嘉田由紀子知事は「リスクを正しく伝え、住民が洪水に備えられる情報開示が必要だ」と話した。

熊本県川辺川ダム計画で反対した活動報告や、歌手の加藤登紀子さんの講演もあり、3日も午前10時から講演や報告会が開かれる。

2008年 11月2日 京都新聞

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008110200100&genre=H1&area=K00

残念ながら、当初予定されていた京都・大阪・滋賀の3知事による川づくりの討論は中止になりましたが、山田啓二・京都府知事や嘉田由紀子・滋賀県知事のそれぞれの講演、ふるさと清掃運動会の呼びかけ人でもある加藤登紀子さんの講演、国会議員のみなさんによるパネルディスカッションなども行われ、河川管理における地方分権とは何か?についてさまざまな角度からの鋭い議論が展開されたようです。かえすがえす、私自身が参加できなかったのが大変残念です!

また、今日の読売新聞によると、滋賀県で建設が計画されている大戸川ダムについて、大阪府・京都府・滋賀県が建設凍結の凍結を求めることで一致した、と報じられていました。

淀川水系・大戸川ダム凍結を
大阪・京都・滋賀が合意

国土交通省近畿地方整備局が4ダム建設を盛り込んだ琵琶湖・淀川水系の河川整備計画案について、共同意見書の提出を表明している滋賀、京都、大阪の3府県が、大戸川(だいどがわ)ダム(大津市)の凍結を求める方針を固めた。3府県の知事は今月11日にも正式表明する予定。共同意見書に法的拘束力はないが、同整備局長の諮問機関「淀川水系流域委員会」も4ダム建設を否定する最終意見書をまとめており、計画の見直しは必至となりそうだ。

関係者によると、京都府の機関「技術検討会」が9月、大戸川ダムについて「現時点で緊急性は低い」などとした中間報告を基に、建設の是非や代替案を検討した結果、「建設を先送りすべき」という内容で合意したという。代替案は今後、協議する。

他の丹生(滋賀県余呉町)、川上(三重県伊賀市)、天ヶ瀬再開発(京都府宇治市)の3ダムについては整備計画案を容認する方針。

2008年11月3日  読売新聞

http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20081103-OYO1T00260.htm?from=main1

今、ここでダム建設の是非について軽率に個人的な意見を述べることは差し控えたいと思いますが、山田知事や嘉田知事が発言されたように、何はともあれ、どんなリスクがありどんな課題があるのか、情報公開を徹底し、上流と下流という流域の地域間でお互いに十分な配慮をもった議論を進めていくことが何よりも大切なことではないか、と思いました。

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(H)

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