2010/03/28
「保津川クリーンリバー」が行われました
今日はラフティングカンパニーと保津川下り合同のクリーン作戦「保津川クリーンリバー」が行われました。
今回の合同清掃はアオキカヌーワークス(リバーアドベンチャークラブ)が毎年この時期に行われている「保津川クリーンリバー」を、ほかのラフティングカンパニーにも参加を呼びかけられて実施されたものです。
それにこたえて、保津川のラフティンぐカンパニーからはADVENTURE CLUB トムソーヤ、アースグラフティ、グリーンウェーブ京都、アウトドアクラブNUTS、さらに南丹市美山町から田歌舎の計6社のラフティングカンパニーが参加されました。さらに、保津川遊船企業組合とプロジェクト保津川も参加して今日の清掃活動は行われました。また、亀岡市環境政策課からはゴミを入れる袋として、たくさんの土嚢袋を提供していただきました。市役所には集積場からのゴミの回収と処理も協力していただいています。
まず、朝9時に保津峡入口の山本浜に集合してミーティングが行われました。昨日まで降り続いた雨で今日の保津川の水位は高く、残念ながら保津川下りの舟をゴミ回収に出すことは不可能ということで、今回は船頭さんたちは陸上からトラックでのゴミ回収という形で応援してくださることになりました。
保津峡谷内を舟とボートで同時に清掃する、インストラクターのみなさんも保津川下りとの合同清掃は念願だったのですが、増水だけはしかたありません。というのはラフティング・ボートでは積める荷物には限界がある一方で、保津川下りの舟は全長が12mもあり荷物はたくさん積めるものの小回りはボートほどは利きません。
そこで、今回は初めて峡谷内を舟とボートで一緒に掃除しましょう、ということになったのですが、残念。。。でも、舟での清掃作業は、大きな舟をある時は左岸に、また別の場所では右岸に接岸させ、さらには急流の中で舟を反転させたりと、とても高度な技術を要します。ですから、増水した状況では危険極まりなく、残念ですが今回は中止となりました。
出発前に記念撮影、最年少は小学校1年生の女の子から、40人ほどの“ゴミ・バスターズ”です。さあ、一日頑張って行きましょう!
さっそくボートを水に浮かべて、清掃開始です。まずは川べりのネコヤナギの枝に引っかかったビニールやペットボトルを集めました。川に流されて枝に絡まった上に、紫外線でぼろぼろに劣化したビニールを取り除くのは、きつ~い刺をもったイバラもあってこれがまた大変な作業なのです。
保津峡の中に入ると、たった1ケ月前に保津川下りの船頭さんたちが嵐山まで歩いて大掃除をされたばかりだというのにこのありさま。大量のペットボトルに発泡スチロールの破片、個人のモラルだけではない、つくづく社会の仕組みの問題を真剣に考えないといけない時期に来ているんじゃないか、と思いました。
きつい斜面、ごつごつとした岩場。そんな場所をウェットスーツやライフジャケットを着て、ずっしりと重くなったゴミ袋を持って歩くのは想像以上に大変な作業で、すぐに汗びっしょりになります。
不法投棄でしょうか、中にはこんなゴミも。灯油のポリタンクの上だけ切り取ったものや、ゴム長。ほかにも建築資材もたくさんありました。
ゴミは船頭さんが後で軽トラで回収してくださるということで、金岐の瀬でいったんゴミを林道に上げます。身軽になったボートで保津川最大の落差を誇る小鮎の滝へと進んでいきます。保津川下りでも一番の歓声が上がるスリル満点の場所ですが、ラフティングではその迫力はさらに倍増、頭から水をかぶりますが、これがまた気持ちいい!実は私は今日が生まれて初めてのラフティング体験、すっかりその魅力の虜になってしまいました。
本格的な春の観光シーズンが始まった保津峡、保津川下りの舟もどんどんやってきます。舟のお客さんからは「ありがとう~!」とたくさん声をかけていただきました。いつものことですが、みなさんの声が何よりの励みになります。
今回の清掃では、保津川下りの舟では近づくことができない場所を特に力を入れて清掃しました。そのひとつが、二股の瀬と呼ばれる場所の中州です。ぱっと見たところゴミは少ないように見えたのですが、なんのなんの、この場所だけで大きなゴミ袋2袋分ほどのゴミが集まりました。ここでは、特に岩に引っかかった肥料袋が特にたくさんありました。保津峡の上流部ではペットボトルが目立つのですが、場所によってずいぶんと漂着するゴミに違いがあるものです。
まだまだ冷え込みの続く保津峡ですが、山桜がきれいに花を咲かせていました。満開まではもう少しですが、楽しみにお待ちください!
さて、ゴミを満載したボートを保津峡駅下の鵜飼ヶ浜に停めてお楽しみのお昼です。それにしても、どの艇もたくさんのゴミ。今回は途中でこうして降ろすことができるので、いつも以上にたくさんのゴミを集められました。
お待ちかねのお昼ごはんはアオキカヌーワークスのみなさんによる特製の豚汁の振る舞い!冷えた体があたたまります。しかし、なぜこんなに外で食べるご飯はおいしいのでしょうね。いろいろな方とゆっくりとお話しさせていただいて、楽しい時間でした。
おいしい豚汁をいただいたあとは、まずは全員でゴミを手渡しで上まで運びます。
ご覧ください、このゴミの山を!たった1ヶ月前に徹底的な清掃が行われたばかりというのに、です。数えてみたら、金岐の瀬から鵜飼の浜までの区間だけで20Lの土嚢袋に105袋もありました。ほかにもタイヤや畳なんかも!蛍光灯やリュックなんかもありましたよ。
ふたたび川に漕ぎだしたボートは、それぞれにゴミを見つけては岸により、場合によっては上陸してゴミを回収してまわります。一見、何も見当たらないような場所も、ササの藪の中にはびっくりするような量のゴミがからまっています。今回は時間の関係もあってすべてを回収できなかったのが心残りです。
ほかにもこんなものも見つけました。立派な角を生やした鹿の骨。この写真を撮ったとき、ちょうど保津川下りの舟が下ってきたのでお客さんに見せると、みなさんビックリされていました。ちなみに今日はイノシシにも出会いましたよ。
そして16時ごろ、嵐山に到着です。ここまで来ると桜もだいぶ咲いています。とはいえ、まだ山桜が五分咲き程度。今年は花が咲いてから寒くなったので、桜も長く楽しめますね。
帰ってきたボートの中に、こんなゴミを見つけました。小さい子供用のおもちゃのクルマ。いったいこの親は、どんなことを考えてこれを川に捨てたのでしょうね。子供にとっては宝物だったかもしれないクルマ。大きくなって要らなくなったからといって、捨ててしまっていいいものなのでしょうか。ゴミと一緒に大事なものまで捨ててしまっているようにしか見えません。
嵐山到着後、みんなで記念撮影!みなさんお疲れさまでした。
今日回収したゴミは、20Lの土嚢袋に全部で210袋にもなりました。軽トラ5台分程度、といったほうがわかりやすいでしょうか。こうしてみなさんの力を合わせることで、すごいことができるのだなあ、と改めて感心しました。
小回りは利くけれど積載能力がないラフティングボート、小回りはそれほど利かない代わりに荷物をたくさん積める保津川下り、もし今回舟を出すことができていれば、もっと大きな成果を上げられたかもしれませんが、それはそれとして、ラフティングカンパニーのみなさんが会社の枠を超えて一緒に掃除をしたことでこれだけの量が回収できたのです。これからもいろんな人が力を合わせることで、保津川をもっともっときれいにすることが出来るのではないか、私たちも元気になれる、楽しくて、そしてスリル満点の一日でした。