2010/11/05
保津川筏復活プロジェクトが新聞で紹介されました
10月23日に実施した保津川筏復活プロジェクト2010。少し遅くなりましたが、新聞記事を紹介します。
筏流し、巧みに再現 保津川でNPOなど協議会
かつて丹波から京都までの水運を支えた「筏(いかだ)流し」が23日、亀岡市を流れる保津川(桂川)で再現された。伝統の技巧で組み上げられた筏を、船頭が巧みなさおさばきで操りながら、川を下った。
市や京都府、NPOなどでつくる協議会「京筏組」が3年前から毎年実施している。今年も9月に予定していたが、天候不順で順延されていた。
この日は、保津川下り乗船場(同市保津町)の対岸河原に集まった参加者約60人を前に、保津川下りの船頭4人がヒノキやスギを使って昔ながらの工法で組む筏づくりを披露。6連から成る全長約24メートルの筏を完成させた。
河原を出発して約40分後、約2・5キロ下流にある山本浜(同市篠町)に到着した。途中の川岸には市民らも詰め掛け、しきりにカメラを向けていた。
保津川筏流し、1300年の伝統継承を NPOなど再現
平安京造営の頃から木材を運ぶために行われていたと伝わる「筏(いかだ)流し」が23日、亀岡市の保津川で再現された。筏による観光振興と技術の継承に取り組むNPOや観光船の船頭、同市などでつくる「京筏組」が主催。地元産の丸太60本を組んだ筏で約3キロを30分ほどかけて下った。今後、筏流しの見学や体験ツアーの実施を目指す。
この日は新保津大橋(同市保津町)近くの河川敷で、保津川遊船の船頭らが約3時間かけて筏を組み立てた。地元産のスギやヒノキの間伐材(長さ約4メートル、直径約20センチ)を8本ずつ、木の枝とツル、U字形の金具だけで固定。できた筏6枚をツルでつないで船頭ら5人が乗った。
また、河川敷には保津川水運の歴史についてのパネルや当時使われた道具を展示。観光客らが解説を聞き、水に浮いた筏の上に乗る体験もした。
亀岡市文化資料館によると、筏流しは約1300年前から、丹波山地の木材を運ぶために発展してきた。江戸時代末期には年間約60万本が京都・大阪に送られたが、鉄道や道路の整備により、戦後しばらくして途絶えたという。
京筏組は技術を継承し、新たな観光資源にしようと、80歳を超えた当時の「筏士」から組み立て方を聞き取り、2008年9月、約60年ぶりに筏流しを再現。昨年も嵐山(右京区)までの筏流しを成功させた。流した木材は京福電鉄の駅のいすや神社の柵に活用。今回流した木材は東映・京都撮影所(同区)などが使う予定だ。
NPO法人「プロジェクト保津川」理事の早田和仙(はやた・かずのり)さん(34)は「この地で受け継がれてきた筏流しの技術を、自分たちの代で途絶えさせてはいけない。観光振興に活用することで伝統を守っていきたい」と話している。
9月に計画していたものの、台風で中止になった今年の筏復活プロジェクト。関係者のみなさんのご尽力で、なんとか10月23日に実施することができました。今回は保津峡の激流を下る、というわけにはいきませんでしたが、その代わり、一昨年と同様に、亀岡市内の保津川をのんびりと、多くの方にご覧いただきながら下ることができました。
当日の様子は、また改めてご報告しますので、お楽しみに!