2008/09/25
「中嶋政樹写真展~地図にない村」のご案内
保津川の上流の南丹市日吉町には「日吉ダム」という大きなダムがあります。そのダムの建設にともなって水没した集落をテーマにした「中嶋政樹写真展-地図にない村-」が、南丹市日吉町郷土資料館にて、9月20日(土)からから11月30日(日)まで開催されています。
南丹市日吉町郷土資料館 平成20年度秋季企画展
中嶋政樹写真展~地図にない村
- 会期:平成20年9月20日(土)~11月30日(日)
9:00~17:00(入館は16:30まで) - 休館日:毎週火・水曜日
- 入場料:大人200円、高大生150円、小中生100円(20名以上は2割引)
昭和36年3月、桂川水系上流の京都府船井郡日吉町(現・南丹市日吉町)に多目的ダムを建設する構想が発表されました。水没する天若・中地区は勿論日吉町はこれに強い衝撃を受け、対策組織を設け、交渉にあたっていくことになります。この建設構想発表から十数年が経過した昭和55年2月から昭和62年3月の住民の離村式まで中嶋政樹氏は天若・中地区で撮影をしました。中嶋氏の被写体はダム建設によって水没、住民が離散する村ではありませんでした。度々撮影に訪れるうちにに知り合った天若の人々とその人々が織りなす営みが中心でしたが、友人もまた離村を前にした人々であり、必然的に離村を前にした天若・中地区の姿を記録することになりました。
一人の写真家の交流が残した写真を通じて、ありし日の天若・中地区に思いを馳せていただけましたら幸いです。
日吉ダムの完成により、下流の亀岡は洪水や渇水の被害も激減し、京都・大阪の飲料水にも保津川の水は供されています。しかし、そのダムの湖底には、どこにでもありふれた、ごく日常の暮らしが確かにあったことにも想いを馳せていただけたら、と思います。秋のドライブをかねて、ぜひ南丹市日吉町郷土資料館に足をお運びください。
(H)