2010/03/06

「南丹地域交流フェスティバル」で「筏をつくろう!」を行いました!

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今日(6日)は、南丹市園部町の国際交流会館で行われた「南丹地域交流フェスティバル」に参加しました。

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このイベントは、京都府南丹パートナーシップセンターと南丹広域振興局の共催で行われ、亀岡市や南丹市、京丹波町の各地域でさまざまな活動を行っているNPOやサークルを紹介することをめざして毎年行われているもので、今年は初めて南丹市園部町で開催されました。

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私たちは、今回はいつもの保津川の環境問題をお知らせするパネル展示のほかに、京筏組として取り組んできた「保津川筏復活プロジェクト」をご紹介する展示も行いました。

昨年9月に行った保津峡での筏流しのようすをまとめたDVDはちびっ子にも大人気。激流を下っていくシーンにはみんな「すご~い!」と歓声をあげていました。

一方、ご年配の皆さんからは「懐かしいなぁ」といろいろなお話を聞かせていただけました。亀岡からみて上流部になる園部でも、大堰川(保津川)筋はもちろん、支流域でもかつては舟運が盛んで、現在の兵庫県篠山市あたりでとれたお米なんかも峠を越えて運ばれ、舟に載せて京都・大阪まで運ばれていました。そういう文化が残る地域だけに、筏は年配の人にも訴えかけるものがあるのでしょうね。

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さて、そんな展示が行われているころ、建物の裏手には1台のトラックが横付けされました。荷台には材木がたくさん積まれています。そう、今日、来場者のみなさんに筏組みを体験してもらうための材木です。トラックは保津川遊船企業組合の協力で提供していただき、材木も船頭さんたちが運んでくださいました。

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しかし、筏組み体験イベントの会場は2F、細い通路を2人1組になって1本ずつ運んでいきます。とつぜんの丸太の行列に、まわりの人も目が点に(笑)

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狭~い階段もご覧のとおり。事前に府の職員さんが本当に運べるかどうか、シュミレーションしてくださったおかげで、何とか20本の丸太を運び上げることができました。

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実は今日は筏プロジェクトのリーダーでもあるプロジェクト保津川の河原林理事は、滋賀県で行われている京都大の研究会での筏プロジェクトの報告のため参加できませんでした。そこで筏流しを手伝っていただいた船頭さんたちに急きょ助っ人をお願いしました。河原林さん作成の設計図(=カンニングペーパー?)と、筏の模型を見ながら作業の最終チェックです。

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13時からの筏組み体験イベントにはたくさんのお子さんたちに集まっていただきました。まずはじめに、今日の先生役の船頭さんたちを紹介して、簡単に私から筏の構造についてお話ししました。

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そしてさっそく、筏組みがスタート。まず初めに船頭さんたちが簡単に見本を見せて、次に子供たちにやってもらいました。

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小さなお子さんは、ハンマーを振り下ろすのも一苦労。お父さんの力を借りてトントンとカンを打ち込みます。コツをつかむと結構いけるものですね。

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ちょっと大きな子供たちには、藤ヅルを「コロス」、つまり捩じる作業も体験してもらいました。これが見るのとやるのとでは大違い。大人の親指ほどの太さのある藤ヅルを捩じるのは、なかなかに大変なのですよ!

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そんな様子を他の子たちも、「早く私もやりたいな~」と見つめています。今回は各部分ごとに交代でやってもらったのですが、待ちきれない様子。飽きたり退屈しないように順番に回していくのも難しいものですね。

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男の子も、女の子も、みんな見るのも初めての筏に興味津津。船頭さんのお話を一言も聞きもらすまい、ととても熱心に耳を傾けていました。

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筏に舵棒と呼ばれる、いわばハンドルを取り付ける作業、小さな助っ人も登場!

今回は2連、全長8mの筏を作りました。実際の保津川の筏では先頭に当たる部分です。保津川を下る筏は曲がりくねった急流を下るために舵棒がついていて、上下左右に首を振ることができるのが特徴のひとつなんですよ。

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出来上がった筏を前にみんなニコニコ、木の上はまるで遊園地です!

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教えてもらった船頭さんたちと一緒に記念写真、楽しかったですか?

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筏ベッドの寝心地はいかがですか?

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筏組みを終えた船頭さんたちは大人気?携帯電話で動画インタビュー中。

今回のイベントは、子供さんたちに楽しんでもらおうと行われたのですが、私たちは建物の中での筏組みなので、実は楽しんでもらえるかどうか心配していたのですが、それはまったくの杞憂に終わりました。木の感触、というのがある意味、今の子供たちには新鮮なんでしょうね、難しい理屈抜きにみんな楽しんでいただけたようでほっと一安心でした。

筏組みが終わった後、「こんなに大きくて重いのに、ほんとに水に浮かぶんですか?」と恥ずかしそうに質問してくれた女の子がいました。「ホンマに浮くねんで、これで京都まで材木を運んではってんで!」、ということで持ってきていた9月の筏流しのビデオや、昔の筏流しの写真を見せてあげると、「スゴイ!」とビックリしたようすでした。でも、実際に舵を操って川を曲がっていくようすなどを見ると、「へぇ~、ホンマや!」と、昔の人の技術に興味を持ってもらえたようすでした。

先日のシンポジウムでも「筏がつなぐ、山、川、まち」というテーマでいろいろ議論をしましたが、やっぱり筏には人をつなぐ、それも世代を超えて人をつなぐ不思議な力があるんだなぁ、と改めて感じた1日でした。お孫さんがおばあちゃんにいろいろ昔の川の話をされていたり、年配の方から「懐かしいもん見せてもろて、おおきに」と言っていただけたり。そして何よりも子供たちに、私たちの地域を流れる「川の文化」に文字通り触れてもらえたことが良かったなあ、と思います。

来場していただいたみなさま、今日のイベントを企画していただいたみなさま、そしてスタッフとしてお手伝いいただいたみなさま、ありがとうございました。

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