2008/10/21

丹波の秋、祭の秋

保津の火祭り

相変わらず昼間は「夏日」が続いていますが、朝晩はめっきりと寒くなりました。秋の丹波、といえば実りの秋、お米に黒豆、小豆、栗、そして松茸、と秋の味覚が勢ぞろいする「美味しい季節」でもあります。京都市内でも今日は時代祭に鞍馬の火祭が行われますが、ここ亀岡でも自然の恵みに感謝し、また無病息災を神様に祈るお祭りが各地で執り行われています。

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保津川にいだかれた保津町では、保津峡の入口に鎮座する請田神社のお祭り「保津の火祭り」が20、21日の両日行われました。

請田神社の頓宮(とんぐう)がある八幡宮社の境内では、太鼓神輿を担いでたき火の周りを3周する「火回り」が、3年ぶりに大人によって行われ、高々と上がる火柱の周囲を勇ましく駆ける姿が多くの観客の目をひきつけました。40年ほど前まで、この「火回り」は大人が務めていたそうですが、火の勢い良さを競ってけが人が出るなどしたため子供が執り行うようになりました。2005年には大人の火回りが1年限りで復活したのですが、来年は請田神社が創建1300年を迎えるのに合わせて、今年は再び大人の火回りも行なうことになったそうです。

花傘や大きな矛など、古いお祭りの様式を今に伝える保津の火祭り、今年ご覧になれなかった方も、また来年、ぜひお越しください。

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さて、亀山城下のお祭りである鍬山神社の秋の例祭、「亀岡祭」も25日の山鉾巡行を控えてだんだんとお祭りムードが高まっています。先日20日には2基の御神輿が城下町に入る「おいで」の日でした。

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城下に入った御神輿は御旅所である形原神社に入られました。昨年、修復された2基の御神輿が提灯の明りに照らし出される姿は、ほんとうにきれいなものです。城下町の家々の玄関先には提灯が掲げられ、これもまたほんとうに趣のある雰囲気です。

また、23日の宵々山では保津峡を切り開いて丹波を開拓した神様「鍬山大明神」をご神体とする「鍬山」が、午後6時から亀岡駅前にて鉾とお囃子の披露をされます。また、本町の三輪山も昨年に引き続き夜間巡行を披露されるそうです。

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今、城下町を夜に歩くと、あちこちからお囃子の練習の音が聞こえてきます。亀岡駅前でお囃子を披露される鍬山の囃子方の皆さんも毎晩集まって特訓中。静かな秋の夜に城下町に響くお囃子の音、なかなかに風流なものです。

ぜひ、丹波の秋祭りにも足をお運びください!

鍬山お囃子 JR新駅舎に響け 亀岡祭、宵々山で披露

亀岡祭を彩る山鉾の一つ「鍬山(くわやま)」が祭りの宵々山の23日夜、JR亀岡駅前(京都府亀岡市追分町)に出向いて祭り囃子(はやし)を披露
する。3年前に車輪などを新調して「曳山(ひきやま)」へ復活を遂げてから初の試みで、鉾を守る北町鍬山保存会は「亀岡の玄関口で祭りを盛り上げたい」と
準備を進めている。

丹波の開拓の神「鍬山大明神」をご神体とする鍬山は、担いで巡行する「舁山(かきやま)」として守り継がれてきたが、2005年、古い記録に基づ
いて約200年ぶりに「曳山」に復元。復元に先立つ02年には山鉾に乗って演奏する囃子方も復活させ、住民たちが笛や太鼓の練習を重ねてきた。

囃子方には亀岡駅前の追分町の子どもたちも加わるが、復元された山鉾を同町でお披露目する機会がなかった。今年は亀岡駅の新駅舎が完成して初めての亀岡祭になることから、祭りのPRを兼ねて駅前で鉾とお囃子を披露することにした。

23日は午後5時に北町商店街を出発。約20分かけて鍬山を移動させた後、駅の南側広場に鉾を止め、午後6時から1時間にわたってお囃子を演奏する。同保存会の林健次会長(58)は「立派に復元された鍬山からお囃子を駅前に響かせたい」と話している。雨天中止。
      

(京都新聞 10月22日)

(H)

 

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