2008/11/18

美山の里と保津川の筏

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先日の日曜日、京都中部の、茅葺きの里として知られる美山町に行ってきました。つい数十年前までは、失礼ながら「とても山奥」「なんにも無い」というイメージしかなかった美山町ですが、それを逆手にとって「日本一の田舎をめざそう!」と進められた町おこしが功を奏して、飛騨の白川郷と並ぶ茅葺き民家が数多く残る里として有名になり、今では年間70万人もの人が訪れるようになった山里です。

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そんな美山でも、茅葺き民家がもっとも多く残る「北集落」は、さまざまなメディアでも取り上げられ、美山観光の中心地となっています。かつては丹波のどこでも見られた「山里」の風景が今もしっかり残っている、何度来ても心がほっとする場所です。

北集落の真ん中には、茅葺き民家を利用した「民俗資料館」があり、昔の生活をしのばせる様々な民具がたくさん展示されていて、地元のおばあさんが交代でいらしていろいろなお話を伺えます。その民俗資料館でふと目にしたのが「筏」の写真(写真上)。

ちょうどいらしたおばあさんにお話を伺うと、戦後しばらくの時期までは、村の目の前の由良川で筏流しがなされていたそうです。少し下流には製材所があり、そのころはそこまでの筏流しで、製材されたあとはトラックで京都に運ばれていたそうです。

材木は由良川をそのまま下って福知山まで運ばれることもありましたが、高く売れるのは京都なので、かつては木馬(きんま)を使って保津川の源流がある方の斜面へと運ばれたそうです。そのようすを「木が山を越える」というふうに表現した、とも聞きます。

改めておたずねして、詳しいお話をお聞きすることをお約束してきたのですが、本当に保津川の筏によって丹波は一体となっていたのだなあ、と実感するお話でした。

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日本の原風景が広がる美山町、ほんとうにいいところなので、ぜひ皆さんもお越しください!

(H)

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京の台所・錦市場にて保津川筏復活プロジェクトの展示会開催中!(~11/29(日))

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