2008/08/30

タイの浜辺で思ったこと

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一昨日、タイから帰国しました。帰国するなり、いきなりの政情不安のニュース、空港も閉鎖されたとか。間一髪でした。さて、上の写真はアジア随一のビーチ・リゾートとして、日本人にもおなじみのプーケット島の浜辺です。

アンダマン海に面したプーケット島の砂浜は、踏めば「キュッキュッ」と砂が鳴く“鳴き砂”の浜です。しかし、そんなきれいな砂浜も、最近は大量のゴミが漂着するようになってしまっていること。そして、観光地であるにも関わらず、残念なことに誰も、それを拾おうとはせず、逆に地元の人もゴミを平気で捨てているのです。もちろん、砂浜にあるゴミのほとんどは、海流に乗って遠くから運ばれてきたものだとは思います。しかし、それこそ本当に世界中から美しい浜辺を求めて大勢の人がやってくる一大観光地、本当にこれでいいのか?と思いました。

急激に進む開発で、川の水は汚れ、それがそのままビーチに流れ込んでいます。ひとたび雨が降ればホテルや道路の建設現場から大量の赤土が流れ込み、飛行機からも海が赤く染まっているのがはっきりとわかります。海に潜れば、サンゴはほとんどが白化して、死の海の一歩手前。そんな水面にはペットボトルがプカプカと。そして、船の乗組員や乗客は平気でタバコを海にポイ捨て。

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鳴き砂の浜、で思い出したのが6月に訪れた京都の琴引浜(ことびきはま)。本当にゴミひとつ落ちていない、子供でも裸足で走り回れるきれいな砂浜でした。プーケットの海岸も、映画「ビーチ」でも紹介されていましたが、本当はとてもきれいな海岸です。夕陽の美しさなどは、まさに感動です。

今、プーケットでは、どんどん海岸が開発されています。それは、ビーチが汚れ、また人が増えすぎたために、外国資本を中心にどんどん未開発の砂浜を求めて、という開発です。自然が売り物のはずの観光産業が、自然を大事にしなかったら何が起こるのか?浮気なお客さんは、あっさりとどこかに逃げてしまうのです。そしてそれは、「観光地」だけがキレイであったらそれでいいのか、という単純な問題ではありません。お客さんは空港に降りた瞬間から、目的地に着く間もずっと厳しい目でその地域を見ていると思うのです。

実際、たとえばハワイの海岸は、毎晩、ゴミ清掃車が出て、州政府と地元の方の手により徹底的に清掃されています。そういう取り組みのひとつひとつが、「世界の楽園」の地位を陰で支えてきたのではないでしょうか。

保津川が「日本一の川下り」として、これからも日本中、そして世界中の人に親しまれるために、今私たちがしないといけないこと、それをもう一度しっかりと見つめなおしたいと思いました。

(H)

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