プロジェクト保津川

イワツツジ、そしてゲリラ雨の保津峡

2009/05/31

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昨日は、私の大学の研究仲間である「水研究会」の一行で、保津川下りのエクスカーション(見学会)を行いました。この研究会は、大学の研究者や河川レンジャー、企業の方などと一緒に幅広く水にかかわる問題を研究するために行っているもので、今回は川と人との長い歴史のある保津川を勉強しよう、ということで保津川下りのみなさんにご協力いただいて、実施したものです。

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研究会終了後、アユモドキの保護活動の現場の見学をしたあとに保津川下り乗船場に向かい、保津川下りの船頭さんたちに川の環境保全に向けた取り組みや、保津川下りの歴史、船頭さんの技術などを教えていただきました。

船頭さんの修行や、道具の話など、時折冗談もまじえた楽しいお話に、一同興味津々。ただの観光川下りと思われていることも多い保津川下りですが、実は400年を超える長い伝統を持っている、いわば伝統産業の現場をいつでもだれでも目の当たりにできる、そういう川下りでもあります。そんなお話を伺ってから乗る保津川下りは、また一味違う楽しみ方ができます。最近では毎月のように船に乗せていただいている私でも、乗るたびに違う発見があり楽しいものです。
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ところで、今日は日中は気持のよい天気でした。ですが出航するころになると、山の上には入道雲がそびえ立ち、背後からは真っ黒な雲がどんどん広がってきます。こんなときは天気に要注意。雨が来るかもしれない、と少し緊張が走ります。雨雲との追いかけっこの舟旅のスタート!さて、ゴールまで天気は持つのでしょうか?!

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保津峡に入ると天然記念物のイワツツジが可憐な花を咲かせていました。赤い小さな花は、この時期の保津峡のアクセント、かわいいものですよ!

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ところでこの時期、保津川は水位も低く、水もやや濁っています。これは保津川流域の水田でいっせいに田植えが行われるため。かつて筏流しが盛んだったころも、田んぼに水を引き入れるために井堰が川の中に設けられる5月半ばには、筏流しはいったんお休みになりました。そんなことがうかがえる水位の低さ(-13cm)で、嵐山までは1時間40分ほどかかってしまいます。

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いつもなら、それはそれでのんびりとした船旅、といいたいところですが、今日ばかりは、後ろから黒雲が迫っていて、雷鳴も聞こえてきます。さあ、このまま雨雲から逃げ切ってゴールできるのでしょうか?!

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結局、ゴールの嵐山に到着した時には何とか雨雲から逃げ切ることができました。写真の右手が上流の亀岡側、嵐山も真っ黒な雲に覆われようとしています。その後しばらくして、嵐山もバケツをひっくり返したような大雨。国土交通省のデータによると、保津川の水位はたった1時間ほどで亀岡では23cm、保津峡内では3時間で52cmも水位が上昇したそうです。

今日の雨は、東海地域に停滞していた湿った空気が吹き込み、近畿南部の低気圧が刺激されて発生した雨雲によってもたらされたもの、1時間に約20mmという激しい雨が降り、保津川の水位も急上昇したのでした。

あとで聞いたところでは、船頭さんたちはこの後、夜中に係留場で船に溜まった水をかき出す作業に追われたそうです。今年最初のゲリラ豪雨、こんなところでも温暖化の脅威を感じますね。

(H)

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