2011/09/12

保津川筏復活プロジェクト2011「いかだにのってみよう!!」が開催されました(前篇)

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9月10日(土)、保津川筏復活プロジェクト2011「いかだにのってみよう!!」が、保津川下り乗船場向かいの河原で賑やかに開催されました。

大人も子供も、みなさんに保津川の伝統の筏に試乗していただこう、と行われた今年の筏復活プロジェクト、当日の様子をレポートします!

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先日の台風12号で河原の様子が大きく変わり、当初の川のそばまで軽トラで運ぶ、という計画が不可能になってしまった、と困っていたら、強力な助っ人登場!保津川遊船企業組合(保津川下り)の理事さんが、舟の係留場の復旧にお使いになっていたパワーショベルで材木を運んでくださったのです!ちょっとビックリ、ありがとうございました!

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そうして運んでいただいた杉や桧の丸太を使って筏組みスタート。2007年に初めて筏組みを行なってから、かれこれ5年目。これまでに、筏復活プロジェクトだけではなく、テレビのロケや大学の研究などで幾度となく筏組みの経験を積んできたからか、スタッフの手際もテキパキ。改めて「継続は力なり」を実感しました。

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私たちの行っている筏復活プロジェクトの大きな特徴の一つは、昔ながらの伝統的な技術で筏を組むことです。なので、筏を組むのに使う藤ヅルも近くの山から切り出してきたもの。船頭さんチームが前もって山から取ってきてくださっていたものを、水につけてやわらかくして使います。こうすることで、切れにくくなるのです。

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藤ヅルと樫の木、それらをカンという金具を使って丸太に打ち付け、そして藤ヅルを編んで筏を組み上げていきます。この筏の組み方に、それぞれの川の特徴が表れます。

たとえば保津川の場合、上流部には曲がりくねった急流がないので「平川造」「平川組み」と呼ばれる組み方で組まれた筏が京北や日吉から亀岡まで下ってきました。そして保津峡を越えるために亀岡で「荒川造」や「荒川組み」とよばれる組み方に組み直されていたのです。なので、このプロジェクトではその「荒川造」「荒川組み」を忠実に再現しています。

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と、そんな難しい話もしつつ、大の大人の激しい水遊びも!楽しむのが肝心!

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そこへ、筏に使う「カン」を作って下さった鍛冶職人の片井さんも登場。

京都府下でたった2人だけになってしまった現役の野鍛冶(農機具の鍛冶職人)の片井さん。以前は実際に筏に使うカンを作ってらした、ということで、一昨年、60年ぶりにカンを作っていただいたのです

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今年1年間、筏復活プロジェクトを題材に研究に取り組んでいる同志社大学の学生さんも筏組みに参加。慣れない手つきでカンを打ち込みます。

このカン、強く打ちこみ過ぎたら解体するときに大変、かといって弱すぎたら急流で外れてしまいます。力加減がなかなか難しいんですよ!

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出来上がった筏と、保津川下りの舟。1200年以上の歴史を持ちながら60年前に途絶えてしまった技と、観光川下りに姿を変えたとはいえ400年以上変わらず受け継がれてきた技。な~んて、そんな難しいことはどこかに置いておいて、楽しく水遊びに興じる子供達。

このまちは、保津川の水運とともに生きてきた町なんだな、ということをふと感じたワンシーンでした。

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本来の保津川の筏は12連、長さにして実に50m以上でした。今回はその先頭の3連の部分だけを再現した筏を2つ組み、試乗してもらうことになりました。さっそく、完成した筏で試運転(?)。

さあ、午後からはいよいよ「いかだにのってみよう!!」が開幕です!

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