2009/11/22

淀川の外来水生植物駆除作業に参加しました!その2

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昨日(21日)は、私の担当している大商大のゼミの学生と一緒に、大阪・淀川で実施された外来水生植物駆除作業に参加しました。6月の作業に引き続いての2回目、さて今回はどんな作業だったのでしょう。

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今回も守口市の淀川河川公園庭窪レストセンターに集合し、作業開始です。前回に引き続き大阪府水生生物センターの職員のみなさん、河川レンジャーのみなさん、国土交通省淀川河川事務所のみなさん、そして新たに大阪産業大学の学生のみなさんもまじえて、総勢40名あまりの産官学合同チームで作業を行います。

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ワンドを覆い尽くす外来水生植物。上の写真左側の緑が鮮やかな部分は、ナガエツルノゲイトウやホテイアオイといった外来植物。下の写真の真っ赤な部分は「アゾラ」と呼ばれるこれまた外来水生植物。ホテイアオイなんかは金魚鉢でもおなじみですが、観賞用として導入されました。一方、アゾラは除草剤を使わない田んぼの雑草予防、つまり「環境にやさしい農業」のために導入されたものの、それが流出してエライことになっているのです。

なぜこれらの植物が問題なのか、というと、水面をびっしり覆うことから、水中に光が届かなくなり、水中の水草が光合成が出来なくなります。そうすると水中は酸欠状態になり、在来の水生生物にとってはもはや住むことのできない環境になってしまいます。また、これらの植物もやがては枯れて腐るわけですが、それが沈殿することでもヘドロの原因になったり、硫化水素を発生させて他の生き物にも壊滅的な打撃を与えてしまったりもするのです。

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さて、今回の作業は前回の反省点を踏まえて、作業範囲を明確にし、陸上作業班と水中作業班、それから安全対策のための監視係に分かれて、作業内容もしっかり分担して進めていきます。

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アゾラが生い茂るワンドの中には、これまた大量のゴミ。ペットボトルやボール、空き缶、そして冷蔵庫まで流れ着いています。ただ水草を除去するだけではなく、これらのゴミも一緒に「混獲」してしまうため、それらを分別することも大切な作業のひとつです。

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さて、作業開始。網ですくい上げた水草を小型ボートに積み込んでいきます。これがまた重くて大変な作業なのです。

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回収した水草やゴミを、陸上に引き上げて、今度は陸上作業班が分別作業に取り掛かります。このあたりの連携は、前回作業の反省点を踏まえて計画したので、今回は非常にスムーズに進みました。段取り八分とはよくいったもの、事前の計画の大切さを改めて実感しました。

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集められた水草の中から、ペットボトルや空き缶、発泡スチロールといったゴミを分別して、袋に詰めていきます。そして水草はトラックにどんどん積み込んでいくのですが、これがまた非常に重くて辛い作業。ちなみに回収された水草は畑の肥料として再利用されるそうです。

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びっしりと水草に覆われていた水面でしたが、少しずつ水面が顔を出してきました。今回の作業ではすべての水草を除去することはできませんが、こうして少しでも空間を作ってやることで劇的に水質が改善されるそうです。

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駆除作業は1時間少々で終了、最後に岸に散らばったゴミや水草をまとめておしまいです。今回は大学の広報や関西大学の学生新聞のスタッフの方が取材に来てくださいました。

初めて作業にあたった学生のみなさんにとっては少々しんどい作業だったかも知れませんが、何はともあれ淀川の現状を身を持って体験していただいたことで、次は自分たちが何が出来るのか、を考えてもらえればと思います。

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今回の成果は、成果はご覧の通りです。外来植物約1t、ペットボトルなどのゴミは45Lゴミ袋に50袋、ほかにも冷蔵庫1台と畳1畳など(笑)

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作業終了後は、レストセンターで昼食をとりながら交流会を持ちました。大商大と大産大の、それぞれの大学で行っているプロジェクトやゼミでの活動内容を紹介し合いました。ちなみに写真で学生さんが持っているのは、先日のプロジェクト保津川の定例清掃会などで調べた保津峡のゴミの組成データです。

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机の上にたくさん並んでいたボトルは、「めっちゃおいしいやん、大阪の水」。そう、大阪の水道水です。かつて臭い水の代名詞だった大阪の水ですが、高度浄水という最新鋭の浄水設備を整えたことで、実はとても美味しく、また安全なものに変身しています。今回は大阪府水道部から差し入れということでいただいたのですが、実際、飲んでみるとまろやかな、美味しい水ですよ。1箱、お土産?にいただいたので、今度のプロジェクト保津川の定例清掃会でお配りしたいと思います。

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今回の作業の成果。ぽっかりと空いたこの空間が、生き物にとってはひとときの安らぎの場を与えてくれるのかもしれません。ブラックバスも、水草も、それらは決して悪意を持って捨てられたものではなかったはずです。それでもいったん環境中に放たれると、在来生物を駆逐し、環境を改変してしまい、ひいては私たちの生活にも大きな影響を与えてしまいます。

今回のこの作業を行った場所は、実は大阪府の浄水場の取水口にあたる場所なのです。もしこのまま外来水生植物を放置しておくと、今以上に水が汚れてしまうので、こうして駆除作業が行われているのです。

保津川でもブラックバスやブルーギル、ジャンボタニシやヌートリア、ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)、オオカナダモなどいろいろな外来生物が大量に繁殖して、大きな問題になっています。今一度、生き物との接し方を真剣に考えないと、取り返しのつかないことになってしまうのではないか、そう思った1日でした。

(H)

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